ペン森通信
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大作と大長編を生んだエネルギー
  講談社の学芸局長をしていた鷲尾賢也さんは毎週火曜日、毎日の夕刊にコラム「本のウチソト表裏」というコラムを書いている。11日はその最終回。書き出しはぼくもまったく同じ経験があったので驚きつつも懐かしかった。「ずいぶん昔のことだが、車中でツヴァイク『ジョゼフ・フーシェ』(みすず書房)に読みふけってしまい、乗り越したことがある」

 ぼくは大学時代、フーシェというカメレオンみたいに思想も信条も変幻自在に変えて、フランス革命を生き抜いたすごい人間の存在を知った。日本にもフーシェ的な人間は多いがいかにも小粒で、あの本物のすごさはない。若いぼくが電車を乗り越したのもツヴァイクがフーシェという希代の人物を書ききったというところがおおいに作用しているだろう。

 ツヴァイクは評伝の匠であるが、著作は『マリー・アントワネット』も『バルザック』も長編。格闘技のような心構えで執筆したであろうと想像させる。もちろん、ワープロやパソコンはまだかけらもない時代だったから、一字一字ことばを紡いで大作を仕上げた。たいへんなエネルギーだと思うよ。

 日本にはこれより長い読み物を書いた作家もいる。山岡荘八『徳川家康』、中里介山『大菩薩峠』などである。『徳川家康』は26巻(講談社・歴史文庫)。『大菩薩峠』はそれより長編で41巻。都新聞(東京新聞)を皮切りに大阪毎日、東京日日(毎日新聞)、読売新聞と1913~41年まで29年間にわたって書き継がれたが著者の死亡で未完のまま。盲目の剣士、机竜之介が主人公の暗い小説。

 ペン森は大菩薩峠のふもとで合宿をする習慣なので、ぼくはこのあいだも市川雷三が机竜之介に扮するビデオに挑戦したが、陰々滅々となった。中里介山はこの小説を手書きで400字原稿用紙1万3000枚分書いたのだからすごいなあ。世界一長い小説といわれる所以である。
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