ペン森通信
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若者は優先席でスマホをいじるな
 ぼくが帰る時間帯の夜遅くにはほとんど老人はいない。それでも優先席が埋まって空席がない場合もある。この杖付きよれよれ老人にだれか席をゆずってくれないものかと思うが、サラリーマン風の若い男もOL風の若い女性も疲れて寝た振りをしているか、スマホをいじって知らんふりだ。あるいはこのじいさんに席をゆずろうか、どうしようかと迷っているようでもある。そして大半はぼくより近い駅で元気よく下車してゆく。

 だいぶ前だが、夜遅く足の不自由な白人の男性が乗り込んできた。優先席に座ったが同じ並びに座っていた30代と思しき男性に片言の日本語で「あなたには座る権利はない」と言って、窓ガラスに貼ってある優先席を指差した。男性はすごすごと間が悪そうに一般席に移動して行った。駅が来るたびに優先席の空席に男女が座ろうとするが、そのたびに白人は追い払った。なかなか大した白人だった。

 そいう態度は日本人にはできない。ぼくが優先席に遠慮なく座るようになったのは70歳をすぎてからだ。70をすぎてからもばあさんに席をゆずったことがある。心のどこかに自分はまだそんな年寄りではないという意識があったのだろう。いまは当たり前のように腰をおろす。最初に席をゆずられたのは60代だったと思う。立って吊革につかまっていたら、目の前の若い女性が笑顔でなにか言った。

「えッ?」と聞き返すと席を替わりましょう」と立ちあがった。ぼくは他のことを想像して下心が騒いだのだが、それだけのことだった。ペン森の作文にときどき、老人に席をゆずるにはかなりの勇気を必要とする、と書く学生がいる。つまり自分が周囲に注目されすぎてはいないだろうかと自意識過剰になって恥ずかしいのだ。ぼくは老人を立たせておいて座っているほうがよほど恥ずかしいことだと思うがどうだろう。

ペン森に来る途中、京王線の笹塚でホームの反対側の電車に乗り換える場合がある。すると、いままで乗っていた電車から乗客が小走りに乗り継ぎの電車に吸い込まれてゆく。杖付きのぼくはゆっくりと乗り継ぎ電車に乗り込む。優先席は満席だ。若い学生風の男がさっそくスマホを覗いている。そいつが足を投げ出していたらぼくは自分の足を引っ掛けてよろめいてみる。そいつではなく他の親切な人が席を立ってくれるケースが多い。

 全般に年配の女性は若い女性よりも親切だ。最も腹が立つのは図体のでかい運動部ふうの学生が優先席で2人分の席を占めてスマホをいじっているときである。学生ならせめて本を開いて読んでくれよと叫びたい。本を読んでいるならまだ許せるがスマホはダメだ。車内でみなスマホに見入っているがみんななにを見ているのだろうか。まるで見当がつかない。これはスマホをもたない者のひがみかもしれない。

ぼくは本なしでは電車に乗れない。『キリンビール高知支店の奇跡』(田村潤/講談社α新書)で改めて現場をめぐる大切さを学んだので、本日の車内読書は『ふるさとの生活』(宮本常一/講談社学術文庫)。1986年に文庫になっているから、昔昔に買って読んでなかったのだろう。村の消滅など現代にも通じる話がおもしろい。

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