ペン森通信
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抽象的に殺すか、具体的に殺すか。
米大統領オバマの広島訪問はわが意を得たりの感がある。5,6年前、広島支局に赴任している毎日新聞の女性記者が訪ねてきた。彼女にぼくは言った。「毎日には記者の目という記者が意見を言うコラムがあるんだから、それを利用してオバマ大統領、広島にきてください」と呼びかかけてみてはどうか、と。アメリカ人は半数以上が広島・長崎への原爆投下は戦争を早く終わらせ、米兵の犠牲を増やさないために必要だったと思っている。

 だから大統領が日本で謝罪させられるのでは、と国民感情には反対する空気が漂っていた。27日の広島は謝罪なしと言うが、広島や長崎の被曝者のなかには納得できない向きもあろう。オバマは2009年のプラハ演説で核兵器のない世界の実現を訴えたとき「アメリカは唯一の核兵器使用国である。同義的な責任がある」と言った。言うまでもなく日本は唯一の被爆国であるが、被爆ゆえに戦争の加害者から被害者に転じた。

 70数年前は鬼畜米英と言っていたが、いまは恋人以上の嘘のような日米関係である。どこかの新聞にいまの日本は「寝ても覚めても日米関係」と言う表現があったが、歴史学者のハンチントンが指摘するように日本はどこかの国に寄りかかって生きてきた。ハンチントンの見方によればいずれ中国を頼りにするだろう、とのご託宣だが、いまのところその気配はない。ぼくが生きているあと数年はまだ寝ても覚めてもアメリカ、だろう。

 でもトランプが大統領になったらどう変わるかわからない。トランプの可能性はゼロではないし、民主党のクリントンと世論調査ではせっているのだ。トランプは日本に核武装しろと迫るかもしれない。フィリピンはトランプに擬せられる異端児が大統領になってすぐ、中国に秋波を送ってびっくりさせた。権力を持つたった1人の人間のさじ加減でどう転ぶか知れたものではないから怖い。フィリピンは強権政治がはじまる。

 アメリカが原爆を広島・長崎に投下した時の大統領はトルーマンだった。敗戦後まもなく、ホワイトハウスを見学した際。トルーマンに質問した日本人の女子高生がいた。アメリカに留学していたのだ。「日本に原爆を落としたことを後悔していますか」。トルーマンはそっぽを向いていたそうである。ぼくがサンデー毎日で企画した読者応募の1通だった。
原爆の非人道性を最終的に投下命令を下したトルーマンは知っていただろう。

ぼくも映画や本や広島・長崎へ行って知っているが直接は知らない。新人記者時代、下宿先のおじさんが被曝者だった。広島の原爆ドームには2回行った。以前は広島に行ったら、原爆ドームと同時に広島城も見ろと強調していた。抽象的に大量に人を殺す原爆と銃座からたった1人にねらいを定めて具体的に殺すその差を表現しろと注文していたのである。軍隊は殺人を行う組織であることをわれわれはときどき忘れる。

ぼくは自衛隊は災害時の救助専門の世界で唯一の人殺しをしない軍隊になってほしいと願っている。人殺しの軍隊はイスラム国などのテロ組織と人を殺すという行為においてさして変わらない。オバマは広島城も訪問する。捕虜だった米兵が被曝死したところだ。アメリカ人の感情を鎮めるために慰霊する。
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