ペン森通信
1人でもわれゆかん
20期生の卒業式を3月27日午後3時から行う。卒業生には卒業証書と記念品が授与される。以前は卒業証書の文面も一人一人個性や進路に合わせてぼくが筆で書いていた。記念品は16期生あたりからだが、あげるのは本である。本のカバーの裏や栞に気のきいた「七転び八起き。失敗を恐れるな」とか「すべての目に見えるものはめに見えないものに支えられている。目に見えない努力をしろ」と成句とコメントをペンでしたためる。

20期生もメディア就職者が多い。最近新聞もテレビも政権に委縮している感じがしていささか心もとない。強いものに立ち向かう気概が失せたのかパワーが消えている。若いひとに期待したいが、かれらは男女とも優しい。他人が自分をどう見ているかどうかをえらく気にする。その意味で入社前から社員ジャーナリストの資格十分な性質を帯びているから、いざ言論表現弾圧の目に遭ったときに奮起して闘うかどうかだよ。

ぼくも優しいタイプに属すると自覚するが、若いころはけっこう勇ましかった。前夜編集局長を罵倒したらしく、部長が局長の席の前を通るだけでいいからたのむ、と言ってきた。前を通るだけならお安いこと、ただ通るだけで頭も下げなかった。ぼくが罵倒せざるを得ないことを局長が言ったから、頭を下げる必要はないのである。常務にあなたのような人間がいるから、この会社はおかしくなるんだ、と食ってかかったこともある。

新人記者時代だが、暴力団風の男が2人で話していた。なんの話をしていたのか詳細は記憶にないが、とにかく耳に入って立ち止まった。「いまの話もう一回聞かせて」と言って割り込んだ。「なんだおめえ」と相手の1人が立ちふさがったが、怖いもの知らずというか、記者になって間もないころだったから張り切っていたのだろう。若いときは老人になったいまでは考えられないような言動に走りがちである。

20期生はもちろん若い、だが若いがゆえに破天荒なことをするかと言えば常識的である。酒の上の失敗もあまり聞かない。19期生までは規格外がいたが、そのエネルギーは権力に向かってほしいものだ。渋谷や道頓堀の若者の乱痴気騒ぎと同じでは困る。大勢で同調するのではなくたった1人の単独行動でひんしゅくをかってほしいもんだ。いまの若者は1人で実行する機会を避けたがる傾向にあるように見える。

もちろん1人の力が結集して大きなエネルギーになるわけだが、将来結集せざるを得ないことが起こるような予感がしてならない。60年安保を経験し、70年闘争を取材した体験から言うと、世界中がなにやらヘンだ。アメリカのトランプ、日本の安倍、イスラム国のテロ。寛容とは逆の不寛容に世界が動いている。大衆のエネルギーが教養や知性ではなく、過激で刺激的な言動に熱狂して異物排除の方向に向かっている。

世界が狭くなる一方、寛容になったのはLGBTを容認するという流れだ。だが、他民族対しては移民締め出しとかどんどんきびしくなる。他社を認めない日本のヘイトスピーチなんかもそうだ。ペン森の若者はみな寛容で優しい。でも1人でもわれゆかんを貫いてくれ。

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