ペン森通信
週刊文春、調査報道のあっぱれ
 児玉誉士夫をしきりに考えてしまうのは、甘利明の辞任のせいだ。故・児玉は知ってのとおり、右翼の大物だった。なにかもめごとがあると呼ばれて、ただ席に座った。もうそれだけでもめごとは収まったらしい。座っただけで仲裁になった。もめごとを続けると「恐れ多くも先生の顔をつぶした」と言うことになった。黙って座っているだけで仲裁代最低50万円。ずいぶん前の話だから、50万円はいまの3,4倍はしただろう。

 その点、甘利がポッポにいれたという50万円とはちょっと額がちがう。甘利はどうしてあっせん利得処罰法に問われないのだろうか。新聞でその疑問を呈している記事を見たことがない。問われてしかるべきだとぼくは思う。甘利に対してかわいそうとか、潔いとか同情論もあるようだが、あっせん利得を得たわけだから、だから週刊文春も取り上げたわけだ。罪を犯したことは間違いない。罪はやはり平等に負わせるべきである。

 甘利の秘書とUR(都市再生機構)の職員は接待を含めて2013年から今年1月まで12回も居酒屋で面談していた。UR職員は公務員に準ずるみなし公務員である。千葉県の建設会社とURの間で道路新設工事をめぐってもめごとがあり、建設会社の総務担当者が甘利の秘書に相談した。秘書は横浜のUR本社で総務担当者と面談する。その後交渉が決着、建設会社の社長らが大臣室で甘利に2013年11月14日現金50万円を渡す。

 甘利事務所および甘利の介在が口利きとされたことになるが、URの公表によると口利きはなかったと否定している。文春報道では秘書らが「顔をたてろ」と言い、口利きを迫ったが、UR側は1日、秘書は迫られる感じではなく、紳士的だったと説明している。文春は口利きがあったと主張し、URはなかったと否定している。だが独立行政法人のURに対して東京地検特捜部が1日、事情聴取を要請したので口利きの有無もわかるだろう。

 政権側はこれで一件落着と幕引きをしたいところだろうが、秘密事項の多いTPPの内容はこれまで折衝してきた甘利だけが精通しているとされるので、後任の石原伸晃で務まるか不安が募っているらしい。石原は環境相をしていた14年6月、原発の汚染土などを受け入れる中間貯蔵施設をめぐる地権者との交渉後、「最後は金目でしょ」と記者団に言った。この米共和党トランプ以上の発言に被災地住民は怒った。金目とはカネのことだ。

 以上、週刊文春、週刊朝日、毎日新聞、TBS報道の寄せ集めで構成してみた。ぼくが考えるのは、このような江戸時代みたいな、あるいはやくざみたいな口利きがまかりとおっている日本の政界の古くさい汚さである。これを週刊文春に抜かれるとは新聞はどうした、と言いたい。週刊文春はよくやったと思う。新聞が見習うべき、完璧な調査報道であった。文春はこの口利き疑惑を昨年8月から追っていたと最新号で書いている。

 新聞も、とくに朝日新聞はこれからは調査報道と標榜していたが、吉田調書問題で頓挫した、30人いた調査報道班を10人に縮小したという。いよいよ新聞の末路哀れという様相を見せてきたようであるが、ペン森卒業生はマスコミ界に入って調査報道の力量を示してくれるはずだ。

 
スポンサーサイト

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://penmori2007.blog108.fc2.com/tb.php/764-70702243
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

瀬下先生

Author:瀬下先生
FC2ブログへようこそ!





最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する