ペン森通信
パリ・テロの3紙報道は大同小異
先週の土曜日11月14日は100人余が集まってペン森20周年記念パーティを開かれた。幹事グループの見事な采配で3次会まで無事終えた。幹事が神保町のビジネスホテルを手配してくれ、酔って、そのままホテルでダウンした。土日のホテルは外国人観光客に占められなかなか当日予約が取れないらしいが、ダブルベッドに一人寝た。翌朝のロビーには中国人、東欧人米国人が目立った。ロビーには読売新聞が無料でおかれていた。

翌15日は朝毎読ともに日本時間14日早朝のパリのテロを1面社会面はもとより紙面を動員して大々的に報じていた。家に着くと購読紙の朝日、毎日が読める。日曜日の空いた車内で読売を堂々と広げる。2,3面見開きで「無差別テロ市民標的パリ再び惨劇防げず」と白抜きのヨコ見出しの下の2面に「仏、対テロ見直し必至」と4段のタテ見出し、その横にテロ問題研究者、ロレッタ・ナポレオ―ニの聞き書き囲み記事を掲載している。

その囲み記事の見出しは「仏の治安機関大失態」となんだか紋切り型の事件見出しである。記事は「中東を安定化させる以外にテロ攻撃を減らす道はない」と上からの目線で結んでいる。ここは「中東の安定以外にない」とでもすべきだろう。国際面でも8面まるまる使って写真グラフを載せている。9面は各国の反応など。10面で「欧州覆う過激派の影」とひねりのきかない見出しで特集を組んでいる。11面に3専門家の見方が登場。

3人の中でなるほどと世界史の復習になったのは元イラク公使、宮家邦彦の発言。「より長い時間軸で見ると、背景には中東と欧州の力関係の変化、特に欧州の弱体化があるのではないか。イスラム世界とユダヤ・キリスト教世界との歴史的な対立が新たな段階に入ったとも言える。シリア、イラクなどの国境線は第一次世界大戦の勝者であるフランスや英国が秘密協定で引いたものだ」。社会面も見開きで現象や事件を詳報している。

情報源が限られているせいか、事件報道がパターン化しているせいか、新聞の送り手側の古色蒼然とした判断のせいか朝毎読ともに似たような紙面である。対症療法的な対処法や指摘が多い中で奥行きがあったのが毎日外信部長、小倉孝保の囲み記事だった。内容は宮家元イラク公使の歴史的な背景説明をさらに詳しく述べている。第一次大戦は西洋がオスマン・トルコ帝国を破りイスラムへの優位を確立した戦争でもあった、と前置きする。

「パリ同時多発テロはこの1世紀にわたるイスラム教徒の屈辱感に、民主化要求運動『アラブの春』以降の中東情勢の変化などが影響して起きた大悲劇といえるだろう」と小倉は続ける。イスラム教徒が西洋に抱く屈辱感はオスマン帝国崩壊(1922年)後、中東地域の多くが英仏の植民地となり植えつけられた、という。日本でも幕末の怨念が福島会津と山口長州にいまなお残っていることを思えば、宗教がらみのこの怨念は根深い。

朝日を開いておっと思ったのは、社会面の記事をつぶして写真グラフにしていたことだ。ほかは大同小異。朝日が一番情緒的な印象で、毎日は底力不足の感じがした。読売はちょっと芸がなく、国内事件報道の域を出てない。攻撃→報復の連鎖は平和第一の現代日本人の理解を超える。こういう場合、やはり映像で迫るテレビは強い。何回も同じ映像が流れうんざりしたが。



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