ペン森通信
お金に苦労しない時期もあったなあ
 孫娘が特待生に選ばれ、大学から授業料免除分の30万円をもらった。ぼくは小中学時代在校生総代、卒業生総代にはなったことがあるが、お金とは縁がなかった。預金が3万円のぼくから見れば、孫娘は10倍の金持ちである。30万円もたえるという報告をうけたのはおとといの日曜日、父の日である。父の日は母の日のつけたしだ。「母の日」があるのに「父の日」がないのはかわいそう、とアメリカ人の女性が言ってできたらしい。

 父の日があって祖父の日や祖母の日がないのはおかしい、じいさまやばあさまがかわいそうじゃないの、という声がどうして出てこないのだろうか。老人に人権はないのか。ぼくはじじい日を設けて、その日はじいさまやばあさまが盛大な贈りものをもらってもいいと思う。贈りものではなくてもご馳走でもいい。ご馳走ならいまだったらうなぎだね。三島のさくら家で冷や酒を傾けつつ、かば焼き3枚をご飯の上に敷き詰めたうな重がいいな。

 孫娘はぼくの旅友だがこの際、10万円をじいさまに精力をつけてもらうため、三島のさくら家に連れて行ってくれないだろうか。大学4年生とはいえ背丈がなく、小柄だから体重65キロのぼくの介護役はちょっと大変かもしれないが、なにこっちには杖がある。しかし、杖に頼ってはいても、転ぶときは転ぶ。孫がぼくを支えられるかどうか、それはかなり難しい。場合によっては孫も巻き添えを食って、転倒する可能性がある。

 ぼくが転倒してひざやひじなどに擦りキズを負うと、いっこうに治らない。皮膚の代謝ができなくなっているらしい。背丈だって2センチくらい縮んだと思う。もともと小規模だったペニスも1センチは短縮した。手のひらの指紋も擦り切れた。女の子がぼくの手を握りたがるのはすべすべと気持ちがいいからだ。若いときはじっとりとしめりっけを帯びていたものだが、手のひらまで乾いた。すべすべつるつるは哀しいかな老化現象である。

 もっとも最終面接前にぼくの手を握ると内定がもらえるという都市伝説が5期生から続いていて、女の子だけでなく男の子も握りたがる。その際、ぼくがご馳走するとより効果的という噂もあったが、ありがたいことにそのためだけに利用していた中華屋がシェフ交代でまずくなったのをしおに奢りはやめにした。水餃子がきわめて美味だったのに、すっかり味が変わってぼくは行かなくなった。女の子から手を握られることだけが残っている。

 孫娘は中学受験でエスカレーターの成城学園に進学した。千葉の幕張から1時間半かけて通学し、中高は無遅刻無欠席の皆勤賞だった。大学に進むとき、他大学を受けるよう教師からしつこく勧められているときいて、ぼくは慶応か東大を受ければいのにと思っていたが本人は頑として聞き入れなかった。ぼくも早稲田や朝日新聞を執拗に勧められたので両方とも無縁となった。孫娘とぼくとは似たようなところがあるのかもしれない。

 振り返れば30万円どころか300万円の車を買ってびくともしなかった時代もあったのだ。そのときどきの立場や境遇によって、お金の価値は気持ちの上下動がはげしい。ペン森以前は不自由しない上だったが、ペン森をもってからはずっと下のままで定着している。

 
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