ペン森通信
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踊らされる大衆は恐ろしい
今週から名画鑑賞会と幕末勉強会スタート。名画鑑賞会はきのう午後2時から4時まで実施した。観た映画は1941年製作の『群衆』。フランク・キャプラ監督、ゲイリー・クーパー主演。喜劇仕立てで人間の信頼と不信を描く。第二次大戦に突入して間もない時期に新聞社の看板が「自由な新聞社」から「合理的な新聞社」に書き換えられるシーンからはじまるこの映画の新聞社内はクビ切りの嵐が吹き荒れている。

クビにされるのは見た目も年老いた高齢者が多いが、コラムニストの若い女性記者、バーバラ・スタンウィックもコラムがおもしろくないと指摘されクビにされそうになる。そこで女性は衝撃的であればいいのねと開き直り、クリスマスイブに市庁舎から飛び降り自殺を図るという手紙がジョン・ドゥと称する男から来た、と捏造のコラムを書く。オ―デションでジョン・ドゥに選ばれたのが元投手のゲイリー・クーパーである。

女性記者はジョン・ドゥが自殺するまで毎日記事を書いて大衆をあおろうと考える。ジョン・ドゥが掲げた隣人愛の支持者は全国に広がり、ついに全国大会まで開かれるまでになる。その熱狂の会場でジョン・ドゥは架空のでっちあげであることが明かされる。集まった群衆は手のひらを返したようにジョン・ドゥに物を投げて憤る。アカデミー賞を3回とったキャペラ監督は群衆の恐ろしいほどの変わり身の早さも表現したかったのだろう。

1941年当時、日本国内でも大衆が熱狂していた。戦争をあおる新聞に踊らされていたのである。このころのメディアは新聞とラジオだった。映画『群衆』の世界も新聞とラジオの時代であった。70年前に敗戦して幕を閉じたあの戦争は軍部がやったのだというひとが多いが、実行部隊は軍隊であったにせよ、支持したのは国民だった。大衆の熱狂というものがあったということを忘れてはならない。大衆は恐ろしいのだ。

フランスの新聞社テロ事件に反対ののろしを上げるデモに350万人が参加したというが、これとて大衆の熱狂だろう。発行を再開した風刺新聞は刷り増しした部数が350万部とも500万部ともいわれ、売り切れ続出らしかったが、大衆の決起に乗じた商売であった。とはいえ、売り切れ続出はフランス人がそれほど表現の自由を大切と思っているか、イスラムが嫌いかのどちらかだろう。個の国フランスも大衆は一色に染まることもある。

それに対抗するようにイスラム風刺画に反対するデモもイスラム教徒の多い国で活発だ。
これではイスラムとキリスト教との溝や対立は深まるばかりだ。日本は八百万の神を崇拝して、実体的には無宗教に近いが、キリスト教やイスラム教は唯一絶対の神を信じる一神教である。キリスト教もプロテスタントとカトリックとが戦った宗教戦争があったように宗派が異なっても対立し、殺し合う。ぼくは幸い無宗教的平和な仏教徒の日本人である。

 あす水曜日の午後2時から4時までは幕末勉強会だから、日本の内戦と熱気に満ちた田舎の若者たちがいたことに触れねばなるまい。日本もそうだが、世界中がいまや格差に悩んでいる。格差の底辺にはいつくばっている層がいることが対立や紛争、殺し合いの遠因であることは間違いないだろう。

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