ペン森通信
これ以上の経済成長はいらない
 つまらない総選挙が終わった。ぼくが投票した小選挙区の民主党女性候補は比例でも救済されずあえなく落選した。比例は原発再稼動反対・憲法改正反対の共産党にした。終わってホッとしたというより、なにかいたたまない感じが残って、感情が日本晴れとはいかない。寒くて雨模様の本日みたいな心境。自民党と公明党の与党が3分の2に届いたからだ。アベノミクスに疑問をもつ身にとって、あまりに腹立たしい結果だった。

 選挙速報はテレビ東京の池上彰だけを集中的に見た。かれは元NHKだが、NHKらしからぬ無遠慮なところがよい。あたりは柔らかく温厚そうだが、口を出る言葉にはカミソリが潜んでいて、権力者に向かうとき合いの手をいれたくなる。今回も安倍首相にわずか6分間のあいだに憲法改正や集団的自衛権行使容認、原発再稼動について質していた。いずれも選挙期間中に安倍が避けてきた問題である。安倍にはあまり触れてほしくない問題だ。

 安倍が触れたくないというのは票に影響する選挙期間中のことであって、終わってしまえば知ったことかであろう。これで安倍はますます好き勝手やれる。憲法も改訂されるにちがいない。なにしろそれが安倍の野望だからだ。ぼくが安倍嫌いなのは、安倍がA級戦犯とされた祖父の岸信介を尊敬しているからである。ぼくら70代半ばの老人にとっては60年安保時代の「岸を倒せ!」のシュピレヒコールが耳の底にこびりついている。

 岸の孫である安倍に対していい感情を持ってないのはぼくら世代に共通しているかもしれない。一方で経済成長には郷愁を抱くこともない。日本は念願の経済成長を果たして幸福になっただろうか。なんでもそろっているがなにか大切なものが足りない。1000兆円もの借金を国がかかえて若者にとって未来は暗い。夢をもてといっても身の回り15センチぐらいの夢だ。明治維新にかけて20代がいだいた雄大な夢は見ようにも見れるはずもない。

 いま司馬遼太郎の『翔ぶが如く』を再読中だが、20年前に読んだ中身はまったく新しい。筋だけ憶えていて、固有名詞は木戸孝允とか西郷隆盛とか名前は知っていても司馬が調べたであろう細かいエピソードはまるで記憶にない。忘却のかなたにあるのはそれだけではない。PCは何回操作を教わっても憶えないのだ。このブログの更新が遅れたのもそのせいである。字が小さくなって、老眼をかけても読みとれなくなったままにしておいた。

 ぼくも老人になったものだとつくづく思う。いまペン森生のあいだで日本が登り坂を上っていたころの勉強をしようとの機運がある。司馬の『坂の上の雲』を読んだことがあるかどうかからではじまった話だが、幕末から明治にかけて14:00から16:00までぼくが講師となってスタートすることになるかもしれない。老人にできることは専門の作文添削か下り坂を下っている若者と日本の青春期をいっしょに読むことぐらいである。

 安倍は日本のさらなる成長を強調するが、ぼくはもう成長しなくていいと思っている。成長すると格差が広がる。子どもの貧困は6人に1人。シングルマザーも貧困。日本はいつの間にか貧困が目立つ先進国になっている。これから先の世代のことを考えると、気が沈む。民主党なみではないだろうが安倍政権へのぶり返しにせめて期待しよう。
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