ペン森通信
歴史は繰り返すのか、不気味ないま
 『最貧困女子』(鈴木大介/幻冬舎新書)を買うため本屋に行ったが、買ったのは『国家の暴走』(古賀茂明/角川ONEテーマ21)だった。『最貧困女子』が見当たらなかったからだが、ぼくは改革派官僚だった古賀と同じく安倍晋三嫌いである。本日12月2日は衆議院選挙の公示日だが、安倍自民党は議席を減らすことは確実だ。ただ自民党は58以上議席減の237議席以下が望ましい。すると自民党は過半数割れの大敗となるのだが。

 それでも安倍は首相の座をだれにも譲らないだろう。なぜなら解散時の記者会見で勝敗ラインを「与党で過半数」と述べて、きわめて低い予防線を張っているからである。衆院の前議席は475だから自民党が過半数に届かなくても連立与党の公明党の議席があるので、与党の過半数割れはない。これで公明党の発言力が増すことは間違いないところで、集団的自衛権行使容認をより限定的にするよう求め、安倍は困るにちがいない。

 ぼくの安倍嫌いは一国の首相として ①きわめて狭量であること。それは「撃ち方やめ」報道で各社が同様の報道をしたのに朝日新聞だけを取り上げて「捏造」と国会答弁で断じたことや、自分に都合のよい意見しか民意としてとらえないことなどで判断できる②「憲法改正をぜひ目指したい」と公言し、太平洋戦争を侵略戦争として反省しているとは思われないこと。A級戦犯が合祀されている靖国神社を参拝する独善的姿勢からもわかる。

 ほかにも多々ある。集団的自衛権の行使容認の憲法解釈を変更して閣議決定したことや特定秘密保護法を制定したこと。この特定秘密保護法は日本が戦争に走る気配がみえたとき、報道をすれば、それは23条1項の秘密漏洩の厳罰化に当たるとされる恐れがある。取材記者は戦前戦中の治安維持法の不自由な暗い時代に投げ込まれるかもしれない。NHK会長人事、経営委員人事で息のかかった経営陣を送り込んだメディア対策も見逃せない。

 どっちみちぼくらは衆院選挙が終わっても、まだ安倍晋三という不気味な異論を認めない独裁的な思考の持ち主をリーダーとしなければならない。右傾化の安倍政権が続けば、原発再稼動も国民から支持されたと都合のいい解釈をするのだろう。それまで賛成したわけではない、と言ってもあとの祭りなのだ。そうして沖縄無視がまた継続する。しかし、どんなに安倍嫌い、反自民党でも票を入れたい野党がない。この劣化現象は国民の反映か。

 『国家の暴走』が終われば『最貧困女子』を読むが、貧困と貧乏は異なる。ぼくは貧乏だが十分に幸せである。貧困は行き止まりである。安倍政権は立場の弱いひとに冷たく貧困を創出する。雇用が増えたとはいえ、大半は身分不安定な非正規である。ぼくも実感しているが年金も目減りした。富裕層や大企業は安倍政権の恩恵を受けてウハウハかもしれない。富を平等に分配して社会主義的な日本をつくりあげた戦後政治はどこへ消えた?

 集団的自衛権は今年度の流行語大賞に選ばれたが、なんだか気色悪い空気ノ覆われている。集団的自衛権という言葉に慣れるのが怖い。だれか歴史家がいまの空気は戦前に似ていると気味悪がっていたが、いつか来た道、歴史は繰り返すのか。



 



 
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