ペン森通信
2人の吉田に悩まされる朝日新聞
 朝日新聞が混乱している。ジャーナリスト池上彰の連載コラム「新聞ななめ読み」の掲載を断り、池上が連載中止を申し入れた。毎日新聞によると、これを知った朝日の複数の記者がツイッターで「池上彰さんの原稿を掲載できないと判断した人は、紙面の信用が何に起因するのか、考えてほしい。恥ずかしく,悲しい」などと自社の対応を批判する投稿をした。朝日は一転して、8月29日に掲載するはずだった池上コラムを4日に掲載した。

 池上は朝日が慰安婦報道を検証した特集(8月5,6日掲載)について「過ちをしたら謝罪すべきだ」などと書いている。朝日新聞は池上に「なんでも自由に書いてほしい」と言っていたという。朝日への追撃厳しい週刊新潮(9・11号)が朝日幹部の話として紹介しているところによると「(原稿を)受け取った担当者は“いい原稿だ”と掲載に向けて作業を進めていた。それが果せるかな、上役によって、“罷りならん”と退けられたのです」

 朝日は一転して掲載したのだから、言論機関の責任として一連の経過を読者に説明すべきだ。朝日が池上コラムを断ったことは、他のメディアによって知っている人が多いから、ただ黙して嵐がすぎるのを待っていては堕ちた信用がさらに堕ちる。「罷りならん」と言った上役はおそらく偏狭な愛社精神の持ち主だ。自社に対する批判は絶対に許せない人物なのだろう。5日のフライデー広告も朝日は「誤報」を消して白抜きにしていた。

 朝日の従軍慰安婦報道は吉田清治という人物の体験談と称する話に端を発している。朝日検証記事はこの吉田は、とんだ食わせものだった、騙された、と悔んで32年前の誤りを訂正したが、池上が指摘するように謝罪はしていない。ぼくは朝日の吉田調書のスクープは新聞協会賞かもと思っていた。だが、事実に感想を加えたり、吉田調書入手報道(5月20日)の際「所長命令に違反して第一原発所員の9割が撤退した」と不正確に報じた。

 その後、夏になって産経と読売、共同が吉田調書を手に入れ朝日報道を否定したらしいが、そのことは知らない。朝日は2人の吉田報道によって墓穴を掘る?こととなった。吉田調書は近く政府が発表するので、朝日の墓穴かどうかはその時点で明らかになる。吉田調書スクープは新聞協会賞どころではなくなった。代わりに協会賞の編集部門5社のうち朝日は猪瀬前都知事に対する徳洲会からの5000万円問題で受賞しやっと存在を示した。

 新聞協会賞編集部門受賞5社のなかには常連の毎日新聞も入っている。これは予想どおり。吉田調書は外れたが、毎日の行方不明認知症「太郎さん」は当たった。認知症の行方不明者をめぐる「老いてさまよう」キャンペーンの取材キャップはペン森2期生銭場祐司である。きょう5日に伺いますと本人から連絡があった。たまたま本日はご母堂が亡くなられた岩田一平の通夜・告別式の受付を担当する19期生の打ち合わせもあって賑わう。

 新聞協会賞は新聞界の最大の栄誉だが、ペン森出身は読売10期生の東電OL殺人事件「ゴビンダ無実」に続き2人目の受賞。先輩の活躍を直接知って19期生をはじめペン森生が発奮してくれたらうれしい。認知症が高齢社会の闇に目をつけて行政まで動かしたように独自の視点で、先輩たちをしのぐ記事を書いてもらいたいものだ。誤報は論外。



 

 
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