ペン森通信
「カネ儲け日本のワンマン経営者安倍」
村上春樹のエッセイ集『村上朝日堂 はいほー!』を読んでいたら、新聞を取ってない、という前触れのあとにつづけた。「新聞に好みはない。昔僕の家では朝日と毎日を取っていたので、その二紙の紙面にはわりに慣れているけれど、それ以外の読売とかサンケイとか東京とかが嫌かというと、そんなことはない。なんだって同じようなものじゃないかと思っている」。昔の村上家同様、ぼくも朝日と毎日を購読している。

 そのエッセイを書いたのは80年代、小説でいえば『羊をめぐる冒険』から『ノルウェイの森』までの5年間である。「なんだって同じようなものじゃないか」と村上はいうが、いまやその論調は朝日・毎日・東京のアンチ安倍政権組と読売・産経の親安倍政権に色分けされている。80年代も論調は変わらなかったように思う。読売も産経もあまり読まないのは、この二紙に友人はいても巷間いわれる評価に影響を受けているからかもしらん。

ぼくはどちらかといえば、リベラルな感性をもったハトだと思うが、これはもしかしたら長年の朝日・毎日に染まったせいかもしれない。朝日・毎日を読むと安倍は不気味で嫌いになる。読売・産経を読んでいてもそれは同じだろう。ぼくは原発ゼロ大賛成だし、憲法9条は日本の生命線だから変更の必要はないと考えている。軍隊は人殺し部隊だが、憲法に縛られた自衛隊のように人助けに徹する軍隊が世界にひとつくらいあってもいい。

 12日に講演をお願いした新右翼一水会最高顧問、鈴木邦男は講演の中で「非武装中立」という昔の社会党委員長、石橋政嗣が唱えた懐かしい用語をもちだした。講演会場は日中友好協会が入室している東方会館ビルだったせいで、なんらかの刺激を受けたのかもわからない。その鈴木邦男と坂本龍一との対談本『愛国者の憂鬱』を出版したのが『週刊金曜日』の(株)金曜日である。金曜日は岩波の雑誌『世界』とならぶ安倍批判誌である。

 週刊金曜日の臨時増刊号の表紙は安倍の肖像画だが、両眼の黒目部分に日の丸があしらってあり、縦に鼻すじまで「検証 暴走する安倍政権」とあり横に交差して「さらば、独裁者」と貫く。中身はトップが内田樹の論評「民主主義よりカネが大事な日本人」。まず合意形成力に乏しい独善的な安倍の危うさを指摘したうえで、安倍支持は「国民国家の株式会社化」によって成り立っている。「カネ儲けできるかどうか」がすべての基準のという。

 民主主義がめざす対話による合意形成、少数意見の尊重、弱者救済、富の公平な分配などは「カネ儲け」の障害となる。トップに権限も情報も資本も集中する上意下達の政治になったのは、メディアが「決められる政治」や「ねじれ解消」を言いたてたからだ。いま、有権者の過半が株式会社の従業員でかれらが安倍を支えている。そうしていまの政府は「ワンマン経営者が仕切る会社」に似てきた。そういう意味でも安倍は独裁者である。

 この臨時増刊号には『週刊金曜日』の編集委員、佐高信の対談も二つ載っている。をアベノミクスをドアホノミクスと痛烈に批判する経済学者、浜矩子と新党大地代表、鈴木宗男の対談だ。ほかにも堀江貴文と森達也の対談あり、盛りだくさんで読みでがある。ついでに佐高信の『この人たちの日本国憲法』(光文社)も一読を勧めたい。

 

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