ペン森通信
後期高齢者は女子が好き
 きょう11月5日、75回目の誕生日を迎えた。何人もからお祝いのメッセージをもらった。みなさんありがとう。振り返れば、はるけきもきつるものかな、である。とはいえ、ぼくは過去をあまり振り返らない。高校、大学の当時の仲間の集いにも不参加が多い。11月中に新聞社社会部の集まりがあるが、参加するつもりはない。年をとったら病気自慢と話題は決まっている。20代女子と親しくしている身としては話についていけない。

 だれか政治家が長寿の秘訣は不義理をすること、と言っていた。ぼくは葬儀にはときどき遠慮するが、結婚披露宴にはほとんど出席する。結婚は未来そのものだからである。6・29の後期高齢者入りを一足も二足も早く祝う会のさい、幼児を連れた女子が大勢来たのに驚き、うれしかった。男子は結婚しても変わらないが、女子は母性を表面化させて独身時代とは明らかに神々しく変質する。こういう光景はなかなかいい。

 ぼくら老齢者のあとをいずれ継続してゆく世代が、たとえば寿命を終えたひとの葬儀の最中に泣いていると、なにかほっとするというか、救われる思いがする。赤ん坊はライオンでもじつにかわいい。ぼくらは赤ん坊であったことを忘れて、大人になり、第四コーナーを回って人生の直線路にはいり消えてゆく。直線路ではスポーツ選手のように最後のダッシュをする力はない。よれよれとようやく二本足で老体を支え、人生のゴールをする。

 人の世は生死を繰り返しながらつづいてきた。ひとはだれでもいつかはなにかの要因で死ぬ、とわかっているからぼくらは人の死を受け容れて、そして忘れる。ぼく日常的に亡父や亡母のことを思い出すことはない。8月歿の谷雅志ですらすでにもう頭から消えている。おそらく忘れ去ることのほうが健康的なのだろう。ぼくはいまでも小学校の校庭のはずれの金網越しに小学生が騒いでいるのを見る。未来や可能性の歓声を聞けるから好きだ。

 後期高齢者ともなると、未来や可能性も限定されてくる。きのう体験受講できた男子も先生は元気だとしきりに言っていた。ぼくはこれはね、ペン森の中でも女子のおかげ、と返事しておいた。ペン森の女子とぼくのあいだに特定秘密があるわけではない。渡辺淳一の説を実行しているだけの話。すなわち、女子を好きになれ、と。ぼくの現在の交流範囲ではペン森の女子のみが好意の対象である。真実一路、ペン森外の女子に浮気はしない。

 大学生のころ、75歳は先の先の見当もつかない老齢だった。そこに到達したいま、ペン森のとりわけ女子数人には感謝するほかない。列車の旅、温泉、街デート、食事、酒の友。いろんな場面で親密に面倒を見てくれた。その面倒が徐々に付き添いのように、あるいは介護のようになってきたのは、こっちが第四コーナーを回ったから、仕方ない自然の流れだ。元気の素の彼女たちがいつまでも元気でいてください、とぼくの誕生祝いにいう。 

 そういうからにはこの特定秘密の女子たちは、結婚するまでぼくに付き添って旅をし、温泉に行き、デートして酒と食事をいっしょに楽しんでくれるはずだ。ペン森女子がいるから老人はやめられない。これからますます介護をよろしく。

 
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