ペン森通信
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『氷点』三浦綾子のがんばりに学べ
  火曜日は神保町から電車に1時間乗って、茨城県境にある女子大に通う。文章表現法という授業をもっている。もちろん気楽な非常勤講師。ぼくは教材に邦画ビデオを使っているが、きのうは授業を終えた学生グループから「難しかったよねえ」という声が聞こえてきた。

 きのうは先週につづき三浦綾子原作、山本薩夫監督の『氷点』(1966年)の終盤を上映した。モノクロ映画である。山本監督は『人間の壁』華麗なる一族』『金環色』『戦争と人間』などこってりとした社会派の作品で知られるが、『氷点』も文芸色のつよい社会派映画の部類にはいるだろう。

 「この作品のテーマは原罪(神の命にそむいて人間が犯す罪)。では、この映画のなかであなたが感じた罪とは?その理由を2,3シーン具体的に例示して説明(証明)しなさい」。これが学生にあたえた課題である。『氷点』上映終了後、70分くらいで800字書いてもらった。罪をどう捉えるかがポイントだ。それは当然、法律的な罪を意味するのではなく、人間が背負う自己中心の生き方と考えてよい。

 原作は朝日新聞の1000万円懸賞小説の入選作。三浦綾子は旭川の雑貨食料店のおばさんだった。小説を書くのははじめてのことで「いかに小さくても店は店、ひる書く暇はほとんどなかった。夜10時に店を閉めてから午前二時ごろまで書いた。調子のよい日は二十枚から三十枚とはかどったが、三枚くらいしか書けない日もあった」。枚数は400字詰め原稿用紙のことである。

 三浦綾子は敬虔なキリスト者だ。だから原罪をテーマにした。『氷点』には不倫、自殺、嫉妬、いじめといった人間の宿罪が物語りの起伏をあざない、あきさせない。『塩狩峠』という自己犠牲が胸を打つ三浦作品を読んで「おれ泣いちゃったよ」ともらしたペン森3期生もいたことを思い出すが、いまどきは三浦綾子が話題になることもない。エントリーシートに登場したこともない。13年間病床にあった強靱な精神力の持ち主ということも知ってもらいたい作家である。
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この記事に対するコメント

三浦綾子さんを調べていてここに来ました!

三浦さんについての本の感想を書いたので
良かったら読んでくださいね☆

http://ameblo.jp/11281104/entry-11048135316.html
【2011/10/14 23:06】 URL | #- [ 編集]


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