ペン森通信
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猪瀬発言はオバタリアンと同類
「それ見たことか」とか「ざまぁ見やがれ」と内心でほくそえんだひともいたにちがいない。2020年オリンピック・パラリンピック招致のライバル、トルコのイスタンブールを「イスラム教国は互いにけんかしている」と批判した猪瀬直樹都知事のことである。風圧の強さに猪瀬は、発言を撤回しておわびしたが、これははいそれまでよ、ということにはなるまい。仮に9月に開催地がイスタンブールに決まれば発言はむしかえされる。

いくら撤回してもインタビューしたニューヨーク・タイムズに記事は残る。猪瀬によると、記事はインタビュー後の雑談での感想だったと伝えられるが、猪瀬に同情する声は聞かれない。それほど猪瀬は周囲の人から好感をもたれてはいない。ぼくは直接話したことはないが、傲岸不遜、編集者いじめで知られるお山の大将である。あんな男に権力をもたせたらどうなるか、投票した都民はその人柄を知るまいと憤慨するひとも多い。

ぼくはこの発言を知ったとき、ひと昔前に非難された「オバタリアン」を想起した。電車の中でわがもの顔にふるまうおばさんが集中砲火をあびた、あの現象である。家庭が自分を中心に回っていることからくる「お山の大将」ぶりを、公共の場たる社会に持ち込んでとくに男たちから非難ごうごうとなったのだが、その後おばさんが態度を変えたたような気配はない。社会が寛容にも容認したか、そのずうずうしさにあきらめたかだろう。

もちろんそのときも、男たちが声をそろえて非難した根城は酒場であった。直接、かみさんに意見をする男はあまりいなかっただろう。怖くて言えない。おばさんたちの反撃に臆してか、メディアもおおむね口を拭っていた。集中砲火は飲み屋で盛り上がり、やがて消えて行った。だが猪瀬は公的な立場で言った。最初「真意が正しく伝わってない」と逃げたが、「記事には完全な自信がある」というニューヨーク・タイムズの反論に降参した。

インタビューは相手がメモ帳をとじたときに終了したのではない。記者は大抵、一見インタビューが終わったその直後に相手が本音をもらすことを知っている。わざとメモ帳を閉じるというずるい方法を実行する場合も少なくない。猪瀬の場合、インタビューはこちらから申し込み、通訳も同道して記録していた。当然である。もちろんニューヨーク・タイムズ側も日本語の達者な記者2人がインタビューした。録音もしていたはずだ。

この猪瀬発言についての報道は、これがオリンピック東京誘致の瑕疵にならなければいい、という論調である。メディアはいつのまにか東京誘致について国民がこぞって歓迎しているかのような空気に染まっていた。このようにして反対は非国民扱いされる風潮が醸成されてゆくのだろう。では、大地震が来たらどうする。いつ来るかもわからないと言っているのだから、とてもじゃないが近未来も安心安全な開催地とは言えない。

改めて言葉の大切さを強調したのは、ほかならぬ猪瀬そのひとである。前の都知事の暴言もひどかったが、その個性はひろく行きわたっていて、またかというくらい、ひとはあまり気にもしなかった。猪瀬ははその前知事の大物ぶりをアメリカで気取ってみたかったのだろうか。

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