ペン森通信
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自殺減少に統計の嘘はないか
 自殺者が3万人をはじめて超えたのは1998年だった。今年2012年は3万人をきるそうだ。じつに15年ぶりのことである。この間、ずっと自殺者は3万人を超えていたわけだから、合計すると人口50万人規模の中都市がひとつ消滅したのと同じだ。『NHKスペシャル』か『クローズアップ現代』で自殺問題を取り上げたNHKのディレクタ―はあまりの深刻さを真剣に受け止めてNHKを辞め、自殺問題に直接取り組むことにした。

ディレクターの話はTBSラジオで知って、このブログにも書いた記憶があるが、かれの熱意が国会議員を動かして議員立法で06年に成立したのが自殺対策基本法である。今年自殺者が減ったのは自殺対策基本法などの政府の総合的な取り組みが効果を上げてきたからだ、という意味のことを内閣府はコメントしている。さらに前原国家戦略大臣も自殺者減少は民主党の取り組みの成果、と地方遊説の演説で触れ、自画自賛している。

今年の自殺者の中には兵庫県警本部の留置場で自死した尼崎市の連続変死事件の首謀者とされる角田美代子も加わるが、それは統計上の最小単位としてであって、犯罪も人間性も隠れてしまう。いじめ自殺も同じく、統計を構成する単なる数字に化ける。その点、作家は作品が残るから、過去の自殺統計で消えても影響も記憶も消えない。太宰治、田中英光、三島由紀夫、川端康成、江藤淳、野沢尚などは自殺したが、ずっと消えない。

昔は殿さまが亡くなると、武士の追い腹という切腹美談があった。1986年アイドル歌手の岡田有希子が18歳で飛び降り自殺すると同じような年齢の若者が次々に高所から飛び降りて、あとを追った。自殺者は70%強が男性で中高年が健康や経済的な生活問題を苦にする場合が多いが、岡田由紀子のようにファンの自殺を誘発することもある。殿さまの場合は病死であっても部下が後追い自殺を図ったが、同じ後追いでも時代を写す。

いまの若者はゲーテの『若きウェルテルの悩み』のように恋人との失恋に絶望して自殺することはまずない。恋愛に命をかけるなんてないのだ。純粋無垢の感情があったとしても、他に相手が見つかれば、そっちになびく。そのへんの生き方は不器用な昔に比べてきわめて器用になった。あんなに盛大に結婚披露宴をして永遠の愛を誓ったのに、3分の1は離婚する。結婚という契約ですら簡単に破るのだから、恋愛関係もまあ、一過性だ。
 
 日本は自殺大国だ、なんとかしなければと訴えたのが五木寛之だが、日本よりも韓国の自殺が多い。世界で韓国が一番。次いでリトアニア、カザフスタン、ベラルーシと続き5番目が日本である。日本の次がロシアだから、旧ソ連圏の寒い国は総じて自殺が多い。日本では東北や日本海沿いが目立ち、世界の傾向と同じく温暖な地域ではあまり自殺はない。ぼくは南九州で生まれ育ったせいか、失恋しても仕事に失敗しても、まるで関係なかった。

 自殺者が3万人を下回るからといって、これはめでたい話題ではない。案外、統計の嘘を衆院選の前に内閣府や警察庁は意図的に発表したのかもしれない。統計上、2012年にもし変死が増えていたら、疑っていいだろう。

 
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