ペン森通信
日本は階級社会になったか
 課題文を読みとりそれを自分の意見へと昇華させるなど表現の面倒をみてきた女子高生が上智大学の推薦入試に合格した。ペン森本来のマスコミ志望支援は今年、転進に1人だけが失敗したが、あとの転進組3人は、時事→共同、愛媛新聞→日経、テレビ新潟→読売と希望を達成し、まずまずの成績。かくいうぼくも毎日→TBSブリタニカ→ペン森開設という段階を踏んだ。ぼくの場合は若い時分ではなく高齢になってからの転進であった。

 大学キャンパスへ行くと、12月1日に就活が解禁され、リクルートスーツ姿が目につくようになった。ぼくは行き当たりばったりの計画性のないタイプだから、転進に際して考え悩んだりすることもなく、なんとはなしの思いつきの勢いで転じた。そもそも、毎日新聞に就職したときから、この会社で定年まで記者をすることはないだろうな、と予感していた。あきっぽい楽観主義だからだろう、生涯を決めることですら深刻に考えない。

 先の心配をしない楽観主義のゆえではなく、若いときだから年金なんてまったく頭にはなかった。毎日新聞1社しか受けなかったが、毎日に企業年金の制度がないのを知ったのは60代になってからだ。おまけにTBS-Bにもその制度がなかった。当時の同僚に会うと「最低の総務だったね」と愚痴がでる。企業年金は厚生年金に上積みされる私的年金である。企業の負担を伴うが社員に豊かな老後を送ってもらいたいための制度だ。

 業績の悪化がつづく近年でこそ、会社の負担になる企業年金を見直す傾向がみられる。右肩上がり経済のなかで社員生活を送ったのにぼくは、厚生年金のみ受けている。とはいえ、支払った金額よりも多額の年金を受給する幸福な正規社員世代である。ぼくの町内に年金の合計が50万円を超える老人がいて、やれイタリアに行ってきただの、フランスは何回行ったことか、と海外旅行三昧である。まあ最近は円安で国内より割安ではあるが。

 優遇される高齢者がいるのに比べ、貧困にあえぐ若者はあまりに切ない。年収300万円が結婚できるかどうかの境目らしいが、ぼくの年収300万は高額をもらった過去の延長線上にある。妻子がいて、持ち家があり、そこそこ旅も楽しめる。その点、若者はストックがない。統計によれば10代の7割、20代前半の4割がパート、アルバイト、契約、派遣などの非正規労働者だ。企業側にとってクッションになる非正規の身分は不安定だ。

 日本はOECDから正規と非正規雇用という労働市場の二極化を改めよ、と勧告を受けているが、一向に改善されない。ますますひどくなる一方だ。労働者の3割強が非正規でこれが二極に階層区分されている。この階層が固定化すれば階級社会だが、いまや階級社会になっているのかもしれない。ペン森にもテレビの契約社員から新聞社の正規社員に脱出しようとがんばっている女子がいるが、時間の自由がきかずに通塾できない。気の毒だ。

 企業年金は正規社員だけが対象。ペン森の内定者はすべて正規社員になるが、自社に企業年金があるがどうかを調べると財政の余裕があるかどうかの判断材料にはなる。下り坂日本にいるからには、それくらいの自己防衛は必要だろう。若者よ、巧みに坂を下れ。
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恵藤憲二朗と申します
恵藤憲二朗と申します
この日記はためになりますね。
また来ます。
【2012/12/10 13:57】 URL | 恵藤憲二朗 #TY.N/4k. [ 編集]


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