ペン森通信
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『三国志』は血のりが手につく
 世間はお盆休みである。だが、ペン森は開店多忙。13日~17日、秋の採用試験に向けて作文の直前特訓をじっししているからだ。午後に三題各70分800字で書く特訓である。その場で題材を思いついてまとめようとすれば、あっという間に時間切れとなる。で、持ちネタの使いまわしということになる。みんなが書いているあいだ、ぼくは文庫本を読みながら待つ。吉川英治『三国志』。全8巻のうちの6巻にさしかかった。

 ぼくの読書時間は通常、電車と就寝時だから、遅々としている。地名、人命が複雑煩瑣で、1回読んだところをまた読んでいるボケ老人的な繰り返しをしばしばやらかす。そこでDVDと並行して読み進めようと考えた。TSUTAYAへ行ってみると4年100億円をかけ、馬10万頭が出演する中国らしい大スケールのDVD28枚入りのノーカット版を借りた。週末に最初からみはじめたが、これが長いのなんの、これも中国スケール。

 しかし外出を控えたい真夏の暇つぶしにはもってこいの『三国志』である。恥ずかしながらこの年になるまで仔細に読んだこともなければ、ましてや中国の歴史に通じているわけでもなく、ほとんど文盲同然だ。もっと理解度もあり、記憶力もいい若いころに目を通していればよかった、と悔んでももう遅い。ぼくは若い時分、記憶力が自慢で1回かけた電話番号はしばらく頭に付着していて、「歩く電話帳」と評されたものだ。

 いまだに手帳をもってないのも若いときの記憶自慢のせいだ。来週の予定なら、1日につき5件まで全部、脳に刻むのがふつうに可能だった。1週間分35件を曜日別に記憶することができた。ところが酒が入ったら、ダブルブッキングをするようになり、約束をすっぽかす事態まで生じるようになった。これは信用問題である。ではどうしたか。どうもしなかった。20年も前から、予定が減って手帳の必要を感じなくなったのである。

 この収容力の小さな頭でも十分に処理できる予定しかなくなった。机のわきの大型カレンダーにちょこっと記入するだけですべては解決する。いまでもぼくはカレンダー記入主義だ。女子とデートするとか、旅に行くとか、そういう秘密めいた愉悦は頭のなかの空き部屋に入れて隠しておく。秘密の数が少ないので、隠し部屋はつねに準備されていて、満室になることはないのだ。9月の予定でたった1部屋がふさがっているけどさ。

 『三国志』は陰謀と怨嗟と怨念の権力闘争を描いている。日本の政治報道が権力争いの政局報道に陥りやすいのも、政治そのものよりも人間の醜悪な面がもろに出るからだろう。それは人間のだれしもが内面に抱えているものでもある。政界だけでなく、社内でも出世をめぐって日常的に展開されている人事ドラマだ。権力闘争という意味では小沢一郎が世間をにぎわすのも、かれが権力闘争を仕掛けることをみんなが承知しているからだ。

ひとは殺したいほど恨みに思う人間が生涯に3人はいるという。ぼくはこれまで殺したい人間は1人もいなかった。これから出てくるのだろうか。あるいは感度が鈍いのだろうか。『三国志』はひと殺しも並みでないスケールで展開して血のりが手につくようだ。殺したい人間がいなくても、『三国志』の一読を勧めたい。

 

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