ペン森通信
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女子と師弟関係を結んだ
 前田敦子がAKB48を卒業するという。ぼくは、これは独立宣言では、と思った。ペン森も16期生の卒業式を3月18日におこなった。送る言葉を述べた17期生女子の1人が「今回、採用試験は見送って、先生についていきます」とぼくの弟子入りを宣言した。これまでぼくを「先生」と呼ばず「師匠」と呼ぶ女子はいた。私的な師弟関係というにふさわしい仲の男子も女子もいた。今度のケースはおおっぴらな師弟関係の成立である。

 もちろん相手は美系の女子だし、表現欲望も満々とした自由奔放、頭脳活発な21歳だから、ぼくは否応もなく受け入れた。前にこのブログで書いたように、不特定多数→特定少数とぼくの対象が変化してきたからには、つぎは特定個人に移行してくるのは必然だから、他の受講生には悪いが、弟子たる彼女の面倒をつぶさにみることになる。ペン森としてはみんなと同じ扱いだが、ぼく個人としては特別待遇をすることになる。

 彼女はルポライターを希望している。ぼくは彼女が大宅壮一賞を受賞するまでは寄り添うつもりだが、欲を言えばぼくが70代のうちにとってもらいたい。ぼくが80歳になっても彼女はまだ20代なのだ。どのような作風になるか、まだ見当もつかないが、ぼくは内容的にはシカゴ・トリビューンのコラムニストをしていたボブ・グリーンのような自由な文章を期待している。ストーリー性に秀でた人間味の濃い文章である。

 ボブ・グリーンは、取材相手だった17歳の少女と婚外交渉をしたことが露見して、もはや過去の人物になってしまったが『アメリカン・ビート』とか『チーズバーガーズ』とか、二十数年前の名著を何冊かもっている。これらの本を参考のため彼女にあげようと考えている。とにかく人間に対する興味と関心を失わないようにしてもらうことがぼくの務めだ。それに加えて、幅広い知識と考察力、観察眼を身につけてくれればいい。

 文章は本人の感覚とセンスをより磨いてもらう以外にない。彼女の文章はセンテンスが短くて読みいい。思いきりのよい性格を反映して「・・・が」など接続助詞でつなぐだらだら文でない歯切れのよい文体が特徴だ。文章は書かねば上達もないから多く書くにかぎる。その近道はなにを見るにつけ、必ず何かを発見するつもりで、多くを見て観察することにつきる。それを経ないと、具体的かつ人間的な内容とは程遠い粗雑なものになる。

 3月18日に弟子入り宣言をして以来、弟子とは会ってない。まだ師弟関係は形式だけの、メールによる通信師弟関係だ。実質は乏しい。春採用試験が終わってぼくが落ち着いたら、同じ体験をして同じものを見て、実作指導に取りかからねばなるまい。オン・ザ・ジョブ・トレーニングである。まずは土台づくりだ。すべての目に見えるものは目に見えないものに支えられている。目に見えない部分を分厚くしておくにこしたことはない。

 短編の名手、三浦哲郎が自作を書くにいたった経緯を説明している『雪の音 雪の香り』(新潮文庫)を読むと、師匠の井伏鱒二がしきりに書くべき題材を勧め、面倒を見てくれたことに触れている。この師弟関係はすばらしい。真似したいものである。

 

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