ペン森通信
リニア新幹線、そんなに急いでどこへ行く
ぼくは各駅停車乗り継ぎの旅好きだから、リニア中央新幹線には絶対に乗らないだろう。いや、品川から名古屋まで40分で結ばれるとされる2027年までは生きていない可能性が強いし、大阪までを67分でつなぐとされる2045年には天国か地獄に行っている。10兆円の巨費を投じて、車体を10センチ浮上させて時速500キロで飛んでゆく、8割がトンネルの路線のどこがいいのだろうか。料金も安くはないだろうし。

 そもそも大阪まで67分で行きたい利用者がいるのだろうか。長野新幹線で東京―長野の日帰りが増えカネが落ちず、長野ががっかりしたのと同様、JR東海はなんて馬鹿なことを考えたのだろう、と悔むのではないだろうか。東電の17%の値上げで都庁の電気代は1億円上乗せになるという。リニアの電力消費量はそれどころの比ではあるまい。原発の2,3基の増設が必要という説もあるくらいだ。とんでもない代物だとぼくは思う。

 8割がトンネルなら当然、掘った分だけの土がでる。その膨大な量の土はどう処理するつもりだろうか。しかも南アルプスに穴を開ける。近隣村落の水涸れとか影響はないのだろうか。リニアは現在、山梨の大月と都留のあいだの18・4キロで走行実験をしている。ぼくはその前に実験線があった宮崎には植村直巳の未亡人ともう1人の共通友人の3人で旅のついでに寄って写真を撮ったことがあるので、リニアには思い入れがあるのだ。

 以前、交通標語に「狭い日本 そんなに急いでどこへ行く」とスピードを戒める傑作があった。リニアと聞くと、それを思い出す。リニアの着工は平成15年からとされ、JR東海は昨年12月6日、2年間を要する環境アセスメントに着手した。ぼくが住んでいる東京都多摩市に隣接する稲城市には直径30メートルの縦坑が掘られるが、その場所は明示されてない。住宅地への影響はまったくないのだろうか。

 JR信濃大町―立山間の立山黒部アルペンルートは黒部ダムの景観が素晴らしいが、ルートはトンネルの中が多い。その掘削工事は難工事だった。リニアのトンネル工事は異常出水や岩盤崩落に見舞われるにちがいなく、難工事が予想される。工期が延びれば、工費もかさむ。借金が3兆円近くあるJR東海は自費でまかなうと言っているが、リニアに投じる10兆円は、果たして1社でもちきるのだろうか。税金にすがることがないように頼む。
 
 経済性、環境問題、電磁波障害、トンネル内事故対策と難問をかかえながら、工事は安全性をうたって前進する。それはまるで安全神話を信じさせてきた原発と同じだ。メディアがこれを問題視しないのも原発とそっくりだ。中間駅は各県1駅だが、相も変わらず地域振興のなると誘致に血道をあげている。需要は期待するほどないだろうとぼくは思う。ぼくの見立てはどうでもいいが、日本人はそんなに急いでどこへ行くのか。
 
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