ペン森通信
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

人間は人間を裁けるか
福井の女子中学生殺しの再審が決まったのは、朝日新聞の大阪地検特捜部の証拠改竄報道の影響の及ぼすところが大きかったと思われる。裁判は警察・検察の言とおりの筋書に沿って進め、判決を下しているのが普通だ。裁判官も遅まきながら、一方の主張だけに寄りかかるという不公正に気づいたのだろう。この裁判は、証拠はなく犯人とされ服役した前川彰司さんの知人の供述だけに頼っていた。知人の元暴力団の供述は二転三転した。

一審の福井地裁は供述の信用性には矛盾があると退けて、無罪を言い渡すが二審の高裁金沢支部は信用性を認めて逆転有罪を下していた。最高裁も上告を棄却し、刑が確定する。前川彰司さんは服役後、再審請求をしていた。今回、高裁金沢支部が裁判のやり直しをきめた。やり直し再審となったのは、これまでの裁判で検察側が開示してこなかった新証拠をだしてきたからだ。弁護側の要求と裁判所の勧告に検察が折れた末だった。
 
 要するに検察は自分に不利な証拠を隠してきた。証拠は検察がほぼ独占しているという構図だから、証拠の全面開示の声があがるのは当然だ。今回は、取り調べの可視化はもとより、冤罪を防ぐには関係者の聴取の可視化まで必要と、ぼくは受け止めた。警察や検察は困るだろうが、可視化は時代の流れである。裁判員裁判を取り入れた以上、国民の代表である裁判官が公正な判断をするために、密室の可視化と証拠開示は欠かせない。

 『裁判官が日本を滅ぼす』という告発ノンフィクションが新潮文庫にある。強姦犯を無罪にして再犯を招く、などでたらめ裁判官が登場するが、福井事件の二審有罪判決の裁判官も裁判官の資格はあるかと疑いたくなる。当然裁判官も人間だから感情がある。公判中の居眠りはよく聞くが、夫婦喧嘩をして思考が乱れることもあるだろう。黒い法衣を着用して厳粛な顔で席に座っているが、内心ではスケベなことを考えているかもしれない。

 裁判傍聴マニアの北尾トロ『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(文春文庫)だったと思うが、傍聴席に女子高生の群れがいたら、裁判官ががぜん張り切った、という場面が活写してある。こわもての硬直したイメージの強かった特捜検事も、朝日の特ダネ報道をきっかけに一変した。大阪地検の元特捜部長も副部長もそのへんにいる気弱そうな悩めるサラリーマンのおじさんとちっとも変わらないことをテレビ映像が照明してくれた。

 裁判官にも研修制度があり、民間企業や報道機関に年間約50人が派遣されている。ぼくが記者をしていた昔にはそういう制度はなかったのが残念だが、もし男の裁判官研修生がそばにいたら思い切り下ネタを振ってみたい。これは見識を広めるため、という研修の目的に合致するのでは、とぼくは思う。もちろんTPOは考慮しなければいけないが、一概に下ネタは不見識ともいえない。沖縄防衛局長の下ネタの譬えは不見識すぎたけどね。

 ぼくは果たして、人間を裁くに値する人間はいるのだろうか、と危ぶむ。批判には反論があるから、大いに批判はしていいと思うし、それがメディアの務めでもある。1億人いれば1億の価値観と人格がある、この多様性を警察・検察は一色に染めあげようとしてきた。裁判官もそれに乗る。パターンどおりの思考停止のマンネリが冤罪を生んできたともいえるのだ。

 

 
スポンサーサイト

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://penmori2007.blog108.fc2.com/tb.php/403-e276a0ca
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

瀬下先生

Author:瀬下先生
FC2ブログへようこそ!





最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。