ペン森通信
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小海線ハイブリッド車両に乗る
あしたとあさっての土日、JR中央線の小淵沢乗り換えの小海線で遊んでくる。この線を走っている世界初のハイブリッド車両に乗りたいと思っていた。ほぼ小海線に沿っている国道141号は軽井沢をぬけて草津温泉へ行くとき、マイカーで何回も走ったが、小海線を利用したことはなかった。草津には前に勤めていた会社のリゾートマンションがあり、OBとして頻繁に使っていたのである。野辺山のコテージで合宿をしたこともあった。

 駅舎も清里駅や野辺山駅の外見は立ち寄っておなじみである。野辺山駅はJR最高地点1345メートルに建つ。小海線は「八ヶ岳高原線」という愛称で呼ばれ、いくら五能線を楽しんだと自慢しても、鉄道ファンにとって一度も乗ってなければ恥ずかしいローカル線だ。ぼくも小海線知らずの乗り鉄であった。窓外の景色もすばらしいと思われるが、なんといってもJRで日本一標高の高い路線を走る高原線だ。景色がすばらしいだろう。

 JRの高所駅上位10駅のうち、9駅が小海線にある。ぼくはなかでも八千穂駅が好きで、駅わきのレストランで食事をし、駅真向かいの「奥村土牛」記念美術館を覗くのを楽しみにしている。駅前に広い駐車場があって、安心して時間がつぶせる。奥村土牛(おくむらとぎゅう)は文化勲章を受章した日本画壇の最高峰に位置した大御所だった。ぼくはこの画家の自伝『牛のあゆみ』(中公文庫)が気にいって愛読した。これはいい本です。

 土牛は旧八千穂村に戦後4年間居住していたことから、素描を200余点寄贈した。そのうち約45点が美術館に展示されている。富士山、八ヶ岳、高原風景、田園風景などの素朴なスケッチが昭和を感じさせてどこか懐かしい。土牛という名前は寒山詩の一節「土牛石田を耕す」からとったという。小林古径に弟子入りしてセザンヌの影響を受け、『鳴門』が最高傑作とされる。素描は精密な線の鋭い印象と同時に親しみやすさがただよう。

 世界で初めてのハイブリッド車両は「キハE200形気動車」。ディーゼルエンジンとリチウムイオン蓄電池とを組み合わせ、発車時は蓄電池で加速時はディーゼルを使う。小海線は標高1000メートルの路線で急勾配もある。高原の森林に棲むキシャヤスデが這い出してきて、線路にあふれることがある。ヤスデは太ったムカデのような節足動物で見るも気色悪い不快な虫である。この不快虫はしばしば車両を止める。

 ヤスデの大群が線路にまであふれ出てくると、車両の車輪につぶされ異様な匂いを放ちながら体液で線路上をぬるぬるさせる。すると車輪が空回りして車両が立往生してしまうのである。ヤスデで車両が止まるというのも高原列車ならではの名物だ。このアクシデントはヤスデが大量発生したときに起こる。大群発生は8年ごととされ、最近では08年がそうだったらしい。8年経つにはまだ間があるが、紅葉にはあまり間がない。

ハイブリッド車両は静かに何事もなく快走し、まさか「牛のあゆみ」のようなノロノロはないだろう。でもなにかせかされるようなこの時代、「牛のあゆみ」は大切です。


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