ペン森通信
僕が被災地へ行かなかったわけ
 文藝春秋11月号に「100歳まで元気な人の秘密」という大型企画が載っている。若いひとはあまり関心がないだろうし、ぼくも100歳までまだ27年もあるので、遠い遠い先だなと思う程度である。このあいだ、NHKだったか、テレビで100歳になった日野原重明医師に密着して、その日常をこまかに追ったドキュメンタリーを放送していた。100歳の現役の話す口調、歩き方、背格好、食べ物などを目にできたのが珍しかった。

 つい昨夜のことだが焼酎を飲んでいたら、度忘れがひどかった。ししゃもを焼いたのをつまみにしようと思ったのだが、そのししゃもが口をついて出てこない。焼酎にかぎらず酒が入ると、むかしから度忘れがひどかった。パーティーにいっしょに連れだって参加した友人を別の友人に紹介しようとしたところ、くだんの友人の名前がでてこない。「これもおれの友だち」なんてごまかした。すると本人が自己紹介していた。

 ぼくの度忘れは歳のせいではなく、酒のせいである。いやそうとも言えないか。ペン森に電話がかかってきて「いまだれがいますか」と聞いてくる。いまここにいる受講生の名前がとっさにでてこないことがこのところたびたびあった。「おい、そんなこといきなり聞くなよ」と言いたくなる。突然の機敏な反応はたしかに衰えてきた。もしかしたら、認知症のごく初期の症状が現れてきたのかもしれないと冷静に自己分析をする。

 ついに大震災の現場に気になりつつも行かなかったが、ぼくの深部筋という筋肉が弱いことがもっとも大きな理由だ。これは階段を上がるときに重要な働きをする筋肉で外からはわかりにくい内部にある。この筋肉は年齢とともに衰え、転倒や尿失禁の原因になるとされる。ぼくは脳梗塞を患って以後、左足がすこし擦り気味になった。階段を下りる際、段のへりに左足のかかとが当たることが多い。転倒防止のためいつも手すりをつかむ。

 東北の現場で転倒なんて、絶対避けねばならない。加えて、朝と夕方は頻尿の傾向がある。朝ときどき小便をするのを忘れて、電車に乗ることがある。それに気づくとにわかに尿意をもよおしてきて、それどころではなくなる。読んでいる本の字が頭に入らない。気分の問題が大きいだろうが、まさしく切迫尿である。ましてや深部筋が劣化してコントロールが効かない、垂れ流しか、みっともないなという不安がつきまとう。

 切迫感に押されて途中下車し、いそいそと駅の便器の前に立っても、小便が一向に出ないときもある。他の便器には男たちが入れ替わり立ち替わりしているのに、こっちはじっと立ったままだ。だれも注目してはいないだろうが、気になる。小便が出ても、牛のよだれみたいでキレが悪い。こっちはどう考えても、加齢のせいである。みんな黙っているけどね。そうでなきゃ、老人用尿漏れ防止パンツの広告があんなに出るわけがない。

 ぼくはまだ普通のボクサ―パンツを愛用している。もっとも尿漏れ防止パンツでも穿きなれていたら、転ばないように細心の注意を払い、被災地へ行ったかもしれない。100歳にうち8割9割は寝たきりという。ぼくは老人になったことは認めるが、寝たきりはご免だ。100歳も遠いが、すべてにおける現役も遠くなるばかりである。モテ期もはるかな過去に遠のいたなあ。モテ期よもういちど、と叫ぶもむなしい漏れション期。

 

 

 
スポンサーサイト

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://penmori2007.blog108.fc2.com/tb.php/390-474a9e31
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

頻尿・尿漏れ・尿失禁は自分で治せます!

くしゃみをしたら漏れてしまった鐔ァ棟州「一日10回以上もトイレに行く・・」などと尿漏れや頻尿であなたも悩んでいませんか?実は自宅で行える1日9分の簡単なトレーニングで、14日後には改善が始まる現役泌尿器科医師が薦めるこの方法であなたも旅行やスポーツを思い... 頻尿・尿漏れ・尿失禁改善プログラム【2011/10/17 07:08】

プロフィール

瀬下先生

Author:瀬下先生
FC2ブログへようこそ!





最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する