ペン森通信
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温泉はぬるいのにかぎる
 わざわざ温泉に行って、寒い季節にかかわらずシャワーだけ浴びることがよくある。だからぼくの場合、温泉に行ってもあまり意味がない、ように見えるが実際は温泉好きだ。宿に着いてから熱いことがわかることが多いので、入浴は敬遠してしまいがちである。むかし、マキで五右衛門風呂を焚いていた田舎では、熱くするのが客に対するサービスと思う家がかなりあった。熱めの源泉をかけ流しにする名湯が少なくないから困る。

 青森のその名も温湯温泉は、逆に熱湯温泉と改名したほうがよさそうだった。東北は熱い湯が多いというのがぼくの印象。混浴と千人風呂で有名な酸ケ湯は酸性が強く、皮膚の弱いぼくは10日間ほど皮膚がかゆかった。東北はいまでもけっこう混浴が目立つが、入ってくるのははるか彼方へ羞恥心を置き去りにしてきたばあさんばかりだから、期待も心配も不要である。酸ケ湯は乳白色の湯だった。熱かったかどうかは記憶にない。

 25年前の酸ケ湯が熱い湯苦手のトラウマになっているのかもしれない。10日間、痛がゆかったから、温度もそれなりに高かったのではないか。かゆさが高温に結びついて、熱い湯の苦手意識が生まれたのだろう。だから熱い湯好き江戸っ子東京の銭湯なんて入る気がしない。50度とやたら高い温度に設定したところもあるから、40度以下を好むぼくなんかたまったもんじゃない。41、2度でも音をあげる軟弱じじいだからさ。

 長野の野沢温泉に入ったとき、湯舟からこぼれてくるタイルの床の湯ですら足の裏が熱くてひょいひょいと足を上げて歩かねばならなかった。湯船に水の蛇口をひねってじゃぶじゃぶ流し入れたら、目をつぶって肩までつかっていたじいさんが目を開けてじっとにらんできた。結局右手の先をつけただけであえなく退散せざるをえなかった。バスつきの部屋ではなかったので、シャワーも浴びずじまいの憂き目に遭ったのだった。

 ぬる湯温泉めぐりというツアーをひとりないし同好のふたりでやってみたい。今度の連休にも実行したいが、震災以降家にこもっていたひとたちも冬眠から覚めたように活発に外出するようになったので、宿の確保はもうできないかもしれない。最終的にめざす温泉は伊豆の長岡に近い畑毛温泉である。泉質表示によると38・5度というからぼくにはいい湯加減だ。ぬる湯は湯につかりながら一杯飲めるし、最高だろうな、と夢もふくらむ。

 そろそろ錦秋の東日本になるが、紅葉の秋には若芽が萌えたつ季節ほどの関心はない。ぼくは旬が遠い過去となった落葉の季節に片足を突っ込んでから、その傾向が強くなってきた。若葉青葉のなかで露天風呂につかっていると、なんだか自分にもまだ未来が洋々と広がっているような錯覚に陥る。紅葉のなかの露天風呂は茶褐色の朽ち果てた枯葉がはらはらと舞って、枯葉が老境の自分と重なる。思えばよく生きてきたもんだ、と切ない。

 ほとんど趣味のないぼくは、旅以外の楽しみは少ない。女子は趣味ではなく、ただ好きなだけだ。かなりえり好みが激しいので、嫌いな女子も数多い。読書も傾向が変わってきた。吉村昭、藤沢周平はずっと変わらない。山形・鶴岡へ藤沢周平記念館を見に行くのも楽しみだ。鶴岡近辺にぬる湯温泉はないだろうか。

 

 

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