ペン森通信
うなぎとステーキが食べられる幸せ
ぼくは旅好きだが、ほんとうの意味での旅好きではない。外国に興味がないからだ。若山牧水や松尾芭蕉と同じ国内派である。それでも拓殖大学に進学しようかと考えたこともあるから、若者らしく海外雄飛の夢ももってはいた。なぜぼくが国内派かというと、海外の食べ物が口に合わないというか、苦手だからだ、ぼくはこの年にしては海外体験が少ない。アメリカ5回、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、ポーランド各1回だけ。

古い記憶をたどれば、アメリカは食事の量が半端じゃない。2食でもあり余る。だからもっぱら日本食になって、高いラーメンを食べることに。イギリスにいたっては、こいつら味覚というものがあるのだろうかと疑いたくなるほどまずい。でもパブはよかった。ビールとハムで夕食はすませた。朝はキオスクのサンドイッチ。世界に冠たるフランス料理はしょっぱい京料理という感じ。ソースでごまかしてミシュランなんてずるい。

 ドイツ、オランダ、ポーランドに関して食べ物の記憶がないのは、おそらく舌が憶えるほどの逸品ではなかったからだろう。ドイツのビールが甘かったこととソーセージが美味だったような気がする。海外体験の大半はひとり旅だったから、レストランにはあまり縁がなく、パブやキオスク利用が多かったから、食文化を語る資格はぼくにはない。とはいえ、一言いいたいのは、おいしいものにありつけなかった恨みである。

 ぼくがけっこう食にこだわるのは、美味に出合うのは人生の幸福だと思っているからだ。ペン森は受講生に夕食を出し、アルコール類もほぼ飲み放題である。将来1日3食食べるたびにペン森ですごした時代を思い出してほしいのである。きのうとおとといはカツオのたたきだった。きょうはビフテキ用の肉を買ってきた。肩ロースだから柔らかくて、うまいかどうかはわからない。要はぼくが牛肉を食べたかっただけの話である。

 ぼくは肉より魚のくちだが、ときどき無性に肉を食べたくなる。たぶん、体が欲しているのだろう。肉と同じようにうなぎもむやみに食べたくなる。このあいだ孫娘と口にした飛騨高山の飛騨牛のステーキは絶品だった。とろけるような牛寿司の米沢牛も忘れがたい。こんど旅するなら、肉質5等級を目いっぱい味わいたい。うなぎは三島のさくら家にいまでもときどき行く。尾花、野田岩といった名店ではなく用賀の庶民的な「うな茂」もいい。

 エネルギッシュな老人はステーキやうなぎを好む。都知事をやっていた美濃部亮吉はステーキ派だったらしい。コラムの名手だった山本夏彦はうなぎ派。ぼくは脂っこいものは口に入れないようになったし、塩分も控えるようになった。以前とはまるで逆の食生活。高カロリー、しょっぱいものが好きだった報いで高脂血症、高血圧の老齢に達した。薬は欠かせない。エネルギッシュどころかエネルギー不足を補うステーキとうなぎなのだ。

 さて、19日は敬老の日。自分にさくら家のうなぎをふるまって、のちのちのエネルギーをたくわえようと思う。うなぎは土用ではなく、秋口のいまが旬である。で、9月はうなぎ、10月11月は旅先でフィレステーキ180グラムといこう。日本にはうなぎ文化もオバマ大統領が羨むステーキ文化もあるから、まあ幸福だね。
スポンサーサイト

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://penmori2007.blog108.fc2.com/tb.php/381-33813bda
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

瀬下先生

Author:瀬下先生
FC2ブログへようこそ!





最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する