ペン森通信
22世紀はないかもしれない
土曜日と日曜日、ぼくは近くのスーパー「西友」や一駅向こうの多摩センターに足を伸ばして「イトーヨーカドー」や「三越」で買い出しをする。肉が必ずリストに入っているが、牛肉の産地が最近、気になりだした。つい数週間まえまでアメリカ産やオーストラリア産は除けていたが、このところ国内産のほうにチェックの目が働く。原発による放射能汚染牛かもしれない、という不安をぬぐいされないからである。

 もちろん、汚染牛が販売されているおそれはないだろうが、この国はチェックが厳しいようでどこか抜けている。心配は払拭できない。「なにを信じていいかわからない」という声をよく聞くが、それはそうだろう。「大人が食べても影響はない」という専門家もいれば、「口に入れてはいけない」という専門家もいる。仮にがんが発生するとしても30年も40年も先だ。発言に責任をもて、と迫っても専門家は痛くもかゆくもない。

 懸念は牛肉だけではない。秋の収穫も心配だ。米にはすでに影響が現れている。7月の末にコメどころの新潟、福島を襲った集中豪雨によって余計に打撃をうけた。週刊新潮(夏季特大号)によると、2010年産米の業者間取引価格が上昇している。「今年の新米に放射能の影響が出たら、去年の米は貴重品になる。少々高くても買っておこうということで、取引価格が高くなっている」と業界の談話を紹介している。

 去年の米が高値で取引されている一方、米穀店主によれば今年の米もすでに高値で取引がはじまっている。「沖縄産ひとめぼれが1俵1万6700円、宮崎産コシヒカリが1俵1万7500円だった。去年とくらべて、沖縄米は2000円、宮崎米は5000円も高くなっている」。農水省は「取引価格が上がっているのは一部業者の話」と打ち消しているが、おそらくそれは風評被害が主食にまで広がるのを気にしての発言にちがいない。

 ぼくは昔、有機農業市町村連絡協議会の役職についていた。その関係で現在も、有機米の茨城コシヒカリを農家から直接送ってもらっている。秋に茨城米が出荷禁止にでもなったらおおごとだ。東北の被災地はくだものの産地でもある。ぼくは東北在住のペン森卒業生に招待されて福島で楽しく遊んだ。GWの時期だったので、観光農園はイチゴ狩りのシーズンだった。観光農園は放射能汚染がないように祈っているだろう。


秋はブドウやリンゴやナシ狩りの季節だ。被災3県だけでなく、放射能の拡散に気をもむ農園主の心境は思うだに気の毒だ。くだものの他に福島にはキノコ狩りもある。キノコや落花生、サツマイモの収穫時期でもある。子どもたちは嬉々として手を泥だらけにしながらサツマイモをとる。屋外での活動量が減った子どもたちの将来の健康への影響も不安である。福島原発の被害をこうむった恐れのある母親はいたたまれないだろう。
 
この子どもたちの何代も何代も先になっても、プルトニウム239は半減期を迎えない。半減するのに2万4000年かかる。東電が福島第一原発の敷地内で発見したウラン238は半減期45億年。地球の誕生とほぼ同じ期間である。プルトニウムもウランも日本がエネルギー政策の柱にしている核燃料サイクルで使われる。なんと恐ろしいものに手を染めたのだろうか。22世紀はないのでは、というペン森生がいるが、そうかもしれない。
 

 
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