ペン森通信
ひげ面流行にのってみようか
毎朝、顔のひげを剃ってうちを出るが、きょうは剃らなかった。意図的に無精をしたのである。ブラッド・ピットや渡辺謙の例をあげるまでもなく、街中でよく見かけるが、無精ひげがいつの間にか、男のおしゃれのようになってきた。つるつるの顔ではなく、あご、鼻の下、頬、と部分のひげを単独で伸ばしたり、鼻の下とあご、頬とあご、というふうに2つの部分を組み合わせているかと思うと、顔全体をひげ面にしている者も少なくない。

剃らないと1ミリにも満たない短いひげが夕方、ざらざらして、快適とはいえない。帰宅したパパが幼ないわが子に頬ずりをすると、すでに伸びたひげがざらざらして気持ちわるい、と子どもが悲鳴をあげた記憶をもつ父親も多いだろう。無精ひげの男たちはひげ面をすりすり押しつけられる側の気持ちを考えないのであろうか。たとえば女子に確かめたことはないが、頬をすり合わせるにしろ、つるつるのほうが気持ちいいに決まっている。

ひげ面の流行は一説によると、スポーツ選手から広まったという。サッカーの長友佑都は顔全体にざらざら感があるし、水泳の北島康介はあごに少々。水泳選手は水の抵抗を少なくするために、体中の毛を剃ると聞いたことがある。胸毛はもちろん、陰毛まで剃るのだそうだ。真偽は不明だが、ヨーロッパの選手は陰毛を剃るらしい。シャワーを浴びるとき、日本人選手は恥ずかしい思いをするとなにかで読んだ気がする。

映画や雑誌でヘアを解禁するかどうか、が大きな話題になったのは70年代だったように思う。70年代にぼくは警察庁を担当しており、ヘアが出ている洋画を渋谷に観に行った。ヘア行政のトップともいうべき、保安部長に同行していた。保安部長が記者たるぼくの意見をきいて、解禁イエスかノーの参考にしたいということだった。映画を観るまでもなく、流れは解禁である。自然にあるものを隠すべしと取り締まってきた当局がおかしい。

 週刊朝日が表紙に女性の正面裸体の絵を使ったことがあった。ヘアが表紙のまん中に威風堂々、黒々と描き込まれていた。いまにして考えると、あれは当局に対する挑戦だったのかもしれない。駆け出しのサツ回りのころ、警察署で試写会という催しがあった。手入れして没収してきたエロ映画を記者たちに披露するサービスである。ぼくもみたはずだが、遅れてきて見損なった朝日記者がはしたなくも、怒り狂っていたことだけを憶えている

 ひげ面おしゃれというのは、女性の茶髪と同じような現象かもしれない。あすあさっての土日、ぼくはそのまま剃らずにおこうかと思っている。まあ、3日くらいでは大してひげも伸びないだろうが、顔に野性味でも加われば儲けものだ。味をしめたら今度は夏休みにもう1回やってみよう。鼻ひげはものを食うとき、邪魔にならないのだろうか。キスの際、女性は痛かゆくならないのだろうか、これは見当もつかない。

  欧米に赴任した特派員のなかにはひげを生やして帰任する者もいる。日本人は子どもみたいな印象なので、おれは大人だよとアピールするために生やすのである。毎日の主筆、岸井成格はいまでもひげだが、これはワシントン特派員のときの大人ひげをそのまま保っているのである。ひげで外見上の様子は変わるが、茶髪と同様、気分も変わるのではあるまいか。ひげで気分転換ができるとは、年金暮らしにはなんと安上がりだろう。




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