ペン森通信
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若者よ、毒を持て!
 宇宙飛行士の古川聡が宇宙飛行船ソユーズに乗って、10日国際宇宙ステーションにドッキングして宇宙の住人になった。ぼくは99年に宇宙飛行士候補に選ばれたばかりの古川、星出彰彦、角野(現山崎)直子の3人の作文の先生を2日間したことがある。「夢」と題した3人の作文がペン森どこかにしまってあるはずだが、どこにあるかはわからない。内容もほとんど記憶してない。あまり上等な出来の作文ではなかったと思う。
 
 「夢」はあらかじめ、宿題として書いてもらった。400時詰め3枚だったが、悪戦苦闘したようで古川は「2日かかった」と言っていた。古川は東大病院の外科医から応募して合格した。現在47歳のかれはすでに30代になっていた。たしか宇宙飛行士になるのがちいさいころからの夢だった、と書いていた。女の子向けのエッセー風作文を読ませてくれた角野直子とは、しばらく年賀状のやりとりをしていた。

 なぜぼくが宇宙飛行士に作文講座をやったかというと、ペン森に博報堂から文章研修に派遣された社員から「こんな企画があります、ついては講師になってもらえないだろうか、と依頼されたからである。ほかにもスピーチとか記者会見とか、講座が組まれていて、作文はエッセーや寄稿を頼まれた際に困らないため、という理由がついていたように記憶する。博報堂は宇宙開発事業団からしこたませしめたにちがいない。

 宇宙飛行士の作文があまり頭に残らなかったのは、優等生の書く型どおりの正しい文章だったからだろう。人物も正しいだけのひとはおもしろくない。ちょっと感じはちがうが、民主党の岡田幹事長みたいなものだ。人間的魅力のある人物は、おおむねどこかが壊れている場合が多い。型にはまってない自由人でもある。キャラが立って個性的だ。エピソードには事欠かない代わり、そばにいる家族にとっては迷惑な存在である。

 採用試験の面接で一次、二次までは通過するが、最終で落ちるひとがいる。一次では多少角のある個性的なタイプを好んでも、最終に進む過程で角は回避され、丸いタイプに落ち着く。最終面接の面接官は年のいったおじさんが多い。保守的だ。冒険をしない。角のある挑発的なタイプは扱いにくい、ということを過去の経験から知っている。といって没個性派が有利というわけではない。人畜無害な丸い個性派の内定確率が高い。

 だが、いい子ぶりっこして内定しても、現実にもまれるうちに素がでてくる。組織や集団にいると自然に、ねたみ、そねみ、ひがみの感情が引き出されてくるからだ。どんな組織も優秀2・普通6・使えない2の割合で構成されるという説がある。本人の実力は入社して仕事をしてゆく過程でわかってくる。新人が配属された現場から「なんでこういう使えないのを採用したんだよ」というような文句のこない安全パイが丸い個性派なのだ。

 宇宙飛行士派3人とも見事に角のない丸い個性派だった。人間は丸く、文章も丸い優等生では刺激に乏しい。3人の作文は調味料が不足していたのだろう。作文は鋭い角があるほうがおもしろい。鋭い角は風刺の切れや毒と言い換えてもよい。現代の若者に圧倒的に足りないのは毒気である。若者よ、毒を持て!





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