ペン森通信
10年以内に原発は全廃炉にしろ
原発は10年以内に全基廃止して、日本から退場させるべし、というのがぼくの主張。タッチゾーンの10年間にすこしずつ代替エネルギーに差し替え、同時に雇用も吸収する。一方では電力消費の軽い商品を開発する。その場しのぎの思いつきか、延命策か、横須賀を控える米の強い依頼か知らないが、菅首相の浜岡原発の全面停止の要請を中部電力はしぶしぶ受け入れた。この首相にしては、浜岡停止は珍しくも評価してよい決断だった。

 浜岡原発は静岡・御前崎にある。ぼくは御前崎グランドホテルに2回泊まり、原発わきの砂丘にも足を踏み入れた。菅首相の停止要請というのは高さ10mの砂丘と原発のあいだに中電が高さ12mの防潮堤をつくる、その2年間停止という意味だ。日本は世界に冠たる技術を誇ってきたはずなのに、日本製ロボットは福島第1で活躍したという話を聞かない。浜岡防潮堤建設にもそんなに時間がかかるというのは技術大国の名折れだ。

 浜岡原発の危険性を強く訴えてきた毎日の月曜日のコラム「風知草」の筆者、山田孝男は旧知の間柄だが、表現がやや不満な点は「浜岡を止めろ」と言っていることだ。「止めろ」とは停止なのか、全面廃止なのかあいまいである。ぼくは浜岡全廃止だ。ご存じのように、浜岡は東海地震の予想震源域の真上にある。地盤が弱く、地盤隆起は避けられない。震度8クラスの東海地震は30年以内に87%の確率で起こるとされている。

 いま日本には54基の原発があるが、うち30基は3・11の地震で停止、あるいは定期点検中である。新たに10数基を新設する計画だが、政府はなお推進の意向だ。原発は1基5000億円、最もコストの安い電気エネルギーだと政府も電力会社も言うが、福島事故による社会的損失は10兆円でも収まるまい。原発は100点かマイナス100点かだ。政府はこの人災の補償は、電力料金値上げを認めて賄うようだが、とんでもない話だ。

 原発エネルギーは日本の電力の27%を占めるが、10年間で徐々にその比率を低めていく代替エネルギーの開発に技術力を注いでもらいたい。日本は火山の国であるから、温泉が豊富だ。地熱発電に乗り出せばいい。太陽、風力、波力、バイオエタノールと多様な自然・再生エネルギー源があるが、これまで原発推進しか目になく、原発以外への開発取り組みを政府や東電などが邪魔したことはなかったのか。どうも疑念がぬぐえない。

 メディア自身もそろそろ課題解説や問題指摘だけでなく、原発に対する態度を明らかにしてもいいのではないか。読売は初代原子力委員長が元祖大親分の正力松太郎だった関係で政府と同じ推進派だろうし、NHKも国営放送みたいなものだから、態度表明は難しいかもしれない。では、朝日、毎日はどうしする?10年以内に代替エネルギーに転換していく、というぼくの構想をあげてもいいよ。節電なんて後ろ向きの姿勢だけではだめだ。

 20年近く前、東大法学部を出た大蔵省(財務省)の若手官僚が税務署長に任じられていたころ、その税務署長ら4人とぼくを含めた5人で「日本のあるべき姿」をテーマに2泊3日の勉強合宿をしたことがある。問題指摘はスムーズに進んだが、3日目になってはたと止まった。未来構想の議論ができなかったのである。ぼくたち日本人は、現実把握はできるかもしれないが、未来世代への責任を意識しての構想力・想像力に乏しいようだ。

 

 

 
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