ペン森通信
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インターネット暴動時代
 ペン森卒業生が某紙のカイロ特派員として、昨年秋に赴任した。同じくペン森生だった細君も幼子をつれて、暮れにあとを追った。はじめは、エジプトはあまりにも遠く、カイロ市内は空気が汚い、と渋っているような気配だったが、政情も安定して治安がいいということと、日本人社会の結束がすばらしく安心できる、ということで夫に従った。ところがエジプト全土で怒りの反政府デモが沸騰しはじめ、とんでもない事態となった。デモが激しくなればなるほど、夫は忙しくなり、妻は身をすくめて待つ以外にない。
 
 エジプトの反政府デモは、インターネットでその代表的な花の名をとって「ジャスミン革命」と命名されたチュニジアから飛び火した。チュニジアもエジプトもぼくに言わせれば「ネット暴動」である。いまや大衆を動かすのは既存メディアの新聞でも、テレビでもなく、インターネットだ。古典的なマスコミ理論に「マスコミの二段の流れ」というのがある。送り手からの情報を一段目のオピニオンリーダーがいったん受け止め、オピニオンリーダーを介して、下段の二段目にひかえる大衆に伝わる、というものだ。

 情報の意味を咀嚼して大衆を引っ張るオピニオンリーダーには大学教授、テレビの解説者、新聞の論説委員、インテリあるいは父親なども含まれるだろう。だが、彼らには昔日の権威はない。大して尊敬もされない。もはや新聞も権威ではなくなった。新聞は大衆の手の届かない上空で気取っているようなところがある。テレビは情報というより巨大な娯楽装置に堕ちた。二段の流れの一段目を中抜きして、送り手から世界の大衆に直結するのがネットである。権力者も編集の手が加わらないこのネットを利用しはじめた。

 インターネットの情報発信もぼくのこのブログのような旧式の「ブログ」、簡便な「ツイッタ―」、交流サイト「フェースブック」と多様化して進化している。今回はチュニジアもエジプトも「ツイッタ―」が活用されたらしいが、インターネットは点や線ではなく面に情報が降り注ぐ。その分、乾燥期の野火のようにあっという間に広がっていく。エジプトでは26日「ツイッタ―」が当局によって遮断されたらしい。「フェースブック」も接続が難しくなっているという。反政府デモはイエメンにも連鎖した。

 エジプト、チュニジア、イエメンのいずれも長期独裁政権がつづいてきた国である。ぼくはここ数年海外旅行にまったく関心がなく、世界遺産の国チュニジアにもピラミッドのエジプトにも行ったことはない。エジプトはアメリカの言いなりの国だから、中東政策に悩むアメリカは困惑しているだろう。もっと他人事じゃないと見守っているのは共産党一党支配の中国と北朝鮮かもしれない。両国とも言論統制が厳しく、都合の悪い外部情報の流入を規制しているが、いずれネットが大衆に忍びこんで民主化運動に火がつくだろう。

 インターネットは留まるところを知らず浸透してゆく。急速度で進展してゆくネット社会にぼくはどうもなじめない。PCを自在に操れないどころか、ケータイも通話のみの利用しかできない旧世代だからだ。悪口を言いながら、思考の日用品、新聞から離れられない。これから既存メディアはどうあるべきかをマジで考えてしまう。既存メディアの編集・校正機能、取材力、慎重な報道姿勢、解説機能、弱者支援などにネットは及ばないのではないか。新聞でがんばるカイロ特派員、ネットに負けるな、正確な報道を頼む。




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