ペン森通信
偏見差別嫌悪の背景が怖い
 「犬がひとを噛んでもニュースにはならない。ひとが犬を噛めばニュースになる」という古典的なニュースの定義がある。意外性や珍奇、奇矯でさえあればニュース性があるという、この説をいまだに信奉しているデスクもいるが、とんだ錯覚だ。犬がひとを噛んでも、ひとが犬を噛んでもニュースである。そもそもひとを噛む犬がうろうろしていたら、飼い犬ならば飼い主の責任が厳しく問われるし、野犬の場合なら保健所が捕獲して殺処分だ。噛まれた被害者が幼児だったらマスコミが取り囲んで大騒ぎになる。

 犬を噛む人間がいたら、そのひとは精神鑑定が必要だろう。現代の日本には犬食文化はないから、といって油断はできない。国民新党の亀井静香代表は東大の学生時代、仲間と犬を殺して食べた。赤犬がおいしいという評判を耳にしたひとも多いにちがいない。ではそれはなにを根拠にしているのか。ぼくの故郷、鹿児島には江戸時代前まで、犬の腹を割いて臓物を出してよく洗い、米を詰めて蒸し焼きにする「犬ころ飯」という料理があったらしい。その犬には赤犬が重宝された、と文献にある。

 韓国や中国は犬を食する文化がある。「羊頭狗肉」という言葉を知っているでしょう。看板に羊の頭を出しておいて、実際には犬の肉を売ってごまかすこと。見かけだけ立派で実質が伴わないことのたとえである。見出しでだまされる羊頭狗肉の記事や番組はあきれるほど多い。ぼくの旅仲間の女子は中国で、そこらへんで遊んでいた犬を殺した鍋料理を食べ、お代わりした、という。いっしょに旅をしていると、そのたくましい健啖家ぶりに驚嘆する。犬肉は日本では忌避されるが、現代の日本にもうら若い美女の犬食いがいるのだ。

 じつは弥生時代から日本人は犬を食べていた。仏教の伝来とともに肉食全般が穢れと考えられるようになるが、犬食はひそかに常食とされたらしい。犬の切断された骨の出土からそれは推察される。明治の文明開化によって日本人は肉食のタブーから解放されえたが、代わりにペットなど愛玩動物を食することがタブーになった。ぼくは大学時代、猫を食べたことがあるが、現代では犬猫を食うなんて嫌悪の対象である。中国人や韓国人に対する差別観を構成する一部の要因にはかれらの犬食文化に対する嫌悪があるかもしれない。

 千葉県銚子出身の女子出版社員からきいた話だが、近所の犬が急にいなくなった、それは中国人の漁船清掃の労働者が食ったらしい、という噂となってひろまった。これとて犬食をする中国人に対する偏見や差別、嫌悪が背景にあるだろう。この偏見と差別、嫌悪観は欧米人が日本人に抱く、捕鯨やイルカ漁への反発反感に通じる。偏見と差別が意識下にあると、自分たちだけの価値観が信仰化される。北朝鮮の価値観なんてのも、旧オウム真理教となんら変わらない。60数年前の日本も一色に染まっていた。それに加担したのが新聞だ。

 ひとつの価値観を絶対化すると、思考は停止するから気分は楽だろう。メディアでその絶対価値が加算されて総量にまとまると、世間が同じ方向を向く。「ひとが犬を噛む」のだけがニュースじゃないよ。被害者や弱者は必ずしも善ではないよ。以上、新聞週間の終わりに考えた。

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