ペン森通信
死刑よりも超長期刑を
 千葉景子法相が2人の死刑囚に対する死刑執行命令を出し28日、法相自ら絞首刑で2人が死にゆくさまに立ち会った。千葉法相は先だって参院選で落選し、法務大臣としてその職にふさわしくない、と有権者は判断した。しかし菅総理は続投を命じ、本人も辞任しなかった。辞任しないこと自体不可解だったのに、死刑廃止論者として知られ、死刑執行のサインをしてこなかった信念のひとが突然、真逆の態度をとった。人間不信に陥りそうな不可解にして、不愉快な死刑執行であった。

 毎日新聞によると「アムネスティ・インターナショナルの調べでは死刑廃止国は90年代以降、増加傾向にあり、09年は139カ国。執行した国は日本を含め18にとどまり、90年代からほぼ半減した」と世界の傾向を紹介したあと、日本の実情に触れている。「その中で日本の世論は制度存置が圧倒的。内閣府が昨年実施した世論調査では85・6%が死刑を容認し、政府が制度を存置する大きな根拠となっている」

 日本で死刑制度賛成85・6%とはきわめて高い数値。この調査は内閣府が5年に一度行なっており、設問は「死刑制度に関してあなたはどちらの意見に賛成ですか」ときいて、賛否を問う3択の意見を並べている。「(ア)どんな場合でも死刑は廃止すべきである(イ)場合によっては死刑もやむを得ない(ウ)わからない、一概に言えない」。(ア)は確信的な死刑廃止だ。ぼくはこれ。(イ)は日本的なあいまいさを残し、無責任に支持できる。この(イ)がほとんどを占め、圧倒的な死刑容認とみなされて日本の死刑制度を支える。

 ぼくが死刑制度廃止に傾いているのは、終身刑と死刑の間がないことが腑に落ちないからだ。死刑よりも生きさせておいて罪の償いをさせたほうがよい。100年の禁固刑とか200年の懲役刑とか、考えようによっては死刑よりも過重な刑である。懲役は労役を科すが禁固はただ閉じ込め労働はさせない。ひきこもりが70万人いる時代とはいえ、独房にいるような禁固のほうが辛いだろう。しかし、日本もだんだん死刑を減らしていって、やがて廃止に至るのではあるまいかとぼくは思っている。千葉法相とは反対のコースをたどる、とみる。

 手元に『死刑物語――起源と歴史と犠牲者』(カール・B・レーダー/西村克彦・保倉和彦訳/原書房)という古い本がある。処刑や刑種の変遷を描いている。日本は刑法で絞首刑による処刑と決まっているが世界では古くから石打ち、断崖からの突き落とし、架刑(イエス)車刑、四つ裂き、切り刻み、溺札、生き埋め、火刑(ジャンヌ・ダルク)・・・人間が考え出した残酷な道具としては、フランス革命時のギロチンが有名だが、これは万人にとって平等な処刑方法として採用された、という。

マリー・アントワネットが断頭台で処刑された当時、首に落下してきたのは、刃ではなく落とし斧であった。フランス革命時の政治家、ロベスピエールは死刑反対論者だったが、独裁者になってからはギロチンで殺しまくり、吸血鬼と化した。権力をもつと人間はかくも変心するものである。権力欲と自己保身の菅総理はギロチンものかもよ。
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