ペン森通信
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無人島にもってゆきたい胸キュン本
 中曽根康弘大勲位と渡辺恒雄読売主筆の対談が『サンデー毎日』の最新号に載っている。もちろん、新党群れ立つ政局を語って、日本の危機にいたる内容だが、ぼくが興味をもったのはつぎのくだり。渡辺「中曽根さんが軍隊に行く時、隠し持っていかれたものは何でしたか」中曽根「聖書と茶の本『茶味』、そしてシューベルトの『冬の旅』のレコードです」渡辺「僕はカントの『実践理性批判』、ブレイクの詩集、『ポケット・イングリッシュ・ディクショナリー』。戦争に負けると確信していたから、捕虜になった時米兵とうまく付き合うために辞書を隠し持っていた」

 無人島にもっていきたい本は?というアンケートはしばしば目にするが、なにしろばれたら銃殺されるかもしれない状況下で持ち込む本である。ぼくなら何をもっていくだろうかとつい考えた。小説は一時的な娯楽や興奮にはなるが、ストーリーの筋が頭に入ったら感興をそがれ、3度4度読むのはきつい。その場限りでないエッセーは候補に加えてもいいかな。いま吉村昭『ひとり旅』を読んでいるが、これもその場限りではない。吉村作品はほぼ全部読了しているので、ひとつひとつの作品にまつわるエピソードや裏話が、記憶をより濃くしてくれ、時間をおいて読後感が深くなるところがいい。

 でも、『ひとり旅』のようなエッセーは再度くだんの作品を読みたくなるという強い誘惑にかられる。隔絶された条件下でそれに抗わねばならないのだ。耐えられそうもない。その場限りでないエッセーはそうそうあるものではないから弱る。繰り返し読んでも持ちこたえる本とは何があるだろう。中曽根さんの『聖書』なんて悪くない。読むたびになにがしか教わるものがあり、心が洗われる予感がある。

 そうすると宗教関係の本か。『般若心経』は思索を深化させてくれるだろう。ぼくは自室を真っ暗にして『般若心経』のCDを聴いていたことがあった。「気色が悪いからよしてちょうだい」と家族から猛抗議を受けた。以来、遠ざけている。『般若心経』そのものはごく短い。短すぎるのはおもしろくないから、分厚く長いのがいいかも。と着想したところこれだ!と思いついてはたと手を打ったのがあった。それこそぼくがほとんど毎日ページを開いても飽きのこない『時刻表』である。3カ月でぼろぼろになる。

『時刻表』はJTBとJRのものとがあるが、ぼくはJTBのものを愛用している。特別の理由はない。1100ページを超す1冊の中に、鉄道を中心とした日本中の乗り物の情報が満載されている。最初に『時刻表』の頭にある地図を見て路線のページを開き、空想や思い出にひたる。閉ざされた身として仮定すれば、空想の余地はないね。思い出だけが淋しさを紛らわせてくれる。只見線、東山温泉、笹川流れ、鶴岡、男鹿半島、庄内平野、最上川、奥入瀬・・・よかったなあ。女子が同行してくれて夢のようだった。断絶された環境でも胸キュンです。思い出づくりにまた行きたいのお。


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