ペン森通信
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道警にへつらった北海道新聞
 腰パンの国母選手は、重い血液病の友人を助けるため、寄付集めに奔走して、海外での移植手術を支えた、ということを『月刊マスコミ市民』4月号で知った。見た目の印象だけでひどい非難を浴びせられ大騒動となった国母選手だが、1人の人間は異なる側面を持ち合わせている。見た目だけで決めつけるなということだ。ひとは自分の中に何人もの人間を潜ませているから、10人10色なんて単純な仕分けはできない。内面の複雑な多様性からいって1人10色といっていいだろう。

 人間だけでなく、組織も同じ。悪を追及する検察や警察が裏金をせっせとため込んで飲み食いに使ったり、自ら悪に染まっている、なんてことも見た目じゃわからない例。検察の裏金問題を内部告発しようとして三井環・元大阪高検公安部長が逮捕されたことは以前、このブログで書いた。それ以来、ぼくみたいに検察に不信感を抱いているひとは少なくない。警察の裏金問題は北海道警察、高知県警が知られている。北海道新聞(道新)と高知新聞がそれぞれ粘り強く調査報道で暴いたことで、明らかになった。これもやっぱりね、というのが大方の感想だろう。

 03年11月から05年6まで道警の裏金問題を報道した道新は、新聞協会賞、日本ジャーナリスト会議大賞、菊池寛賞と名だたる賞の受賞の栄誉に輝いた。権力の腐敗に立ち向かったこの調査報道はジャーナリズムの歴史を飾ったのである。ところが、道新の編集幹部は道警にこびへつらい、道警幹部と取引をして修復をはかった。ぼくにも他社の記者をしているかつてのペン森生が、道警が道新に反発しているので、警察取材が楽になって助かる、と電話してきたことがある。つまり他社は連携して、不正の摘発に参戦しようとはしなかった。手を組んで権力に向かう姿勢と志が日本のメディアには不足している。

 一方、道新の記者になった教え子からは、裏金問題を追及した社会部の同僚たちが警察担当からはずされた,本社はこれで恭順の意を道警に示した、と訴え、どう思うか、という長いメールが届いた。明らかに道新は道警に許しを請うて、担当記者の配置換えを行った。『月刊マスコミ市民』は道新の取材班の担当デスクだった高田昌幸氏とのインタビューを掲載して、ジャーナリズムのあり方を問うている。2月号でも「ジャーナリズムの劣化とメディアの可能性」を特集しているから、ジャーナリストをめざす諸君には一読を勧めたい専門誌である。

 雑誌の相次ぐ廃刊のなかでぼくが、なくなって困ると思うのは『噂の真相』『ダカーポ』月刊『現代』である。いままた『マスコミ読本』でおなじみ創出版発行の『創』も苦境に立たされている。これらの雑誌が世の中だけでなく、個人の多様な価値観形成に果たしてきた役割は大きい。1人10色が10人10色に狭まっちゃおもしろくないよ。

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