ペン森通信
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死を前にしたとしてやりたい旅
 
 森繁久弥のあの助平ぶりが好きだった。「ちょっと手相を観てあげようか、手をだしてごらん」と猫なで声で若い女優に優しくもちかける。女優がはにかみながら手を出すと、森繁助平じじいは「どれどれ」と両手で相手の手のひらを包み込んだと思ったら、あれよあれよというまに、女優の手をなでさすっている。と10年以上前、だれかが書いていた。その巧妙な芸にいたく感動したぼくは、よしおれもじじいになったら、と心に期すものがあった。

 ご子息の話によると、森繁は病室にくる看護婦と仲良くなり、脈をとる手を嬉しそうに握っていたそうだ。死の間際まで、しっかりそのエッチ系血脈は元気だった。なにも老人になってから急に助平になったのではなく、それは天性のものだったらしい。女優の司葉子が新人だったころ、「森繁の10メートル以内には近づくな」と警告されたという。冗談にしても煙のたつ火種を森繁はもっていたわけだ。森繁は稀にみる多芸の天才だったが、その一芸にすぎない助平だけでも男は真似できればと羨ましく思うだろう。

 それは森繁にしてはじめてできたことあり、周囲に許容もされたことだったのだ。われわれがやるとセクハラ、あるいは痴漢だ。セクハラや痴漢に感じさせないところが天才助平の所以である。その森繁が96歳の人生を閉じるとき、後悔はなかったのだろうかと、昨夜「死ぬ時後悔する25のこと」というテレ朝の番組をみつつ思った。もっと芝居をやりたかったのではあるまいか。

 ひるがえって、ぼくの場合はなにが浮かび上がってくるだろう。寿命あと1年とすれば、国内の旅である。北海道は宮脇俊三の「最長片道切符の旅」の道内コース。一緒に行きたいと申し入れてきたペン森生が札幌に赴任しているあいだに、ほんの断片でも同行して、あとはひとりで回るのもいい。能登半島は来年3月ごろ、再訪することになるだろう。もう連れは決まっている。高いけど、死の直前くらい豪快に九十九神秘温泉に浸かりたい。

 三陸には前から行きたいと切望していた。リアス式海岸にそってここはドライブしたい。太平洋側は雪が少ないだろうから、車でも大丈夫そう。もちろんぼくは運転しないで、景色を眺め、途中でおいしい魚と地酒に親しんでとろける。三陸がだめなら、やはり海の幸の鳥羽から伊勢湾をフェリーで横切って伊良湖岬。ここも死ぬまでにぜひ、と願っている。どうやらこっちのほうは、ドライバーがいるから今冬にでも可能性がありそうである。

 もうひとつ穂高の麓の平湯温泉。松本と飛騨高山の中間にあって、かつてのぼくのドライブコース。
今度はバスで山の雪景色を楽しみながら、宿で特別注文の飛騨牛をたっぷり食したい。いい湯いい
食。見目麗しい若い女性の連れでもいれば、もう死んでもいい。

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