ペン森通信
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夏休みの必読5冊
 ぼくの中大ゼミ生には夏休み、宿題をだすことにしている。課題本を読んでレポートを2000字手書きで書いて提出すること。昨年までは10冊を課していたが、読書が苦痛なのか、手書きがおっくうなのか、せいぜい2~3冊しかやってこない。
 ことしは自己規制して半分の5冊にするつもり。①レイチェル・カーソン『沈黙の春』(新潮文庫)は常識的な必読本だと思うが、例年宿題にしてもこれまで打率ゼロ。ことしのゼミ生には珍しくも、高校時代から図書館の本を雑食動物のようにあさって読了したという子がいる。彼女は読んだかもしれない。読んでなければ挑戦してくれるだろう。
 ペン森初期のころは勝海舟『氷川清話』と福沢諭吉『福翁自伝』が受講生の必読本だったが、いまどきの学生にはとっつきにくいだろう。そこで青春ものを宿題にしようかと考えた。宮本輝『青が散る』、サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』はポピュラーすぎるので、②ジョン・クラカワーという登山家兼作家の『荒野へ』(集英社文庫)をあげたい。放浪してアラスカへ分け入り死体で見つかった若者とその周辺を取材した清冽ノンフィクションである。
 この本には人間の性善説を謳うような人物がたくさん登場する。最近は性悪説こそ人間の本質ではあるまいかという事件が多すぎる。北海道ミートホープの田中社長なんかその典型だ。このブログで取り上げた同じ姓の③田中森一『反転』(幻冬舎)には、安倍総理のJAL裏口入社あっせんとか人間のウラがこれでもかというほど出てくる。ワルを知る告発本。
 ぼくが愛読している吉村昭本もリストに入れねば。墜落したB29の操縦士を惨殺して戦後、逃避行をする『遠い日の戦争』は昨年の課題。生
への執着という点でねばりのない若者にぜひ知ってほしいのが④『破獄』(新潮社文庫)。捕まっても捕まっても獄中から脱出する天才脱獄囚の話である。無人島で生き抜く『漂流』も感動ものだ。
 しつこいねばりを発揮して村人とともに鉱害に立ち向かった田中正造についての知識も若者にえてもらいたい。それは⑤『城山三郎『辛酸』(角川文庫)に詳しい。遊水池にして強制廃村にされた旧谷中村は昨年が廃村100年だった。ぼくは数回その遊水池に行ったが、同行したペン女が「村の痕跡を見てもなんにも感じないの」と言ったのが悲しかった。
スポンサーサイト

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://penmori2007.blog108.fc2.com/tb.php/18-653ccfda
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

瀬下先生

Author:瀬下先生
FC2ブログへようこそ!





最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。