ペン森通信
すさまじい映画が『キネマ』上位
 『キネマ旬報』の08年映画のベストテンが発表された。日本映画は1本もみてないが、外国映画は3本みている。最近は劇場公開されてからちょっとだけ待つと、DVD化されるからありがたい。もちろんぼくはもっぱらDVDで鑑賞した。みたのは『キネマ』の順位ベスト1『ノーカントリー』2『ア・ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』4『ラスト、コーション』。

 『ノーカントリー』はコーエン兄弟の作品。この映画のバイオレンスはすごいよ。なにしろおかっぱ頭の殺し屋が牛やブタを殺す圧搾空気銃をぶら下げ、サイレンサー付きショットガンでだれでもいいから無意味に殺しまくる。この殺し屋は圧倒的な存在感があって、夢にでてくるほど不気味。ネットを開くと撮影中、レストランに行けばウェイトレスが怖がって隅っこの席に隔離されたというから笑える。

 コーエン兄弟は知ってるひとには余計なことだが、兄ジョエル・コーエン(55)、弟
イーサン・コーエン((52)。ジョエルが8歳のとき8ミリカメラを手にしたのがきっかけで兄弟して映画に興味をもつようになった。監督を兄ジョエル、脚本とプロデュースを弟イーサンが担当するという分担。

 この兄弟の作品ではぼくのお気に入りは『ファーゴ』だったが、『ノーカントリー』を上におくかな。『ファーゴ』は1996年の作品でアカデミー脚本賞を受賞し。主演の兄ジョエルの妻フランシス・マクドーマンドは主演女優賞に輝いた。マクドーマンドは身重の警察署長で身を反らしてよたよたと歩きながら見事な推理で犯人を追いつめる。

 『ノーカントリー』もアカデミー賞作品で殺し屋だけがやたら目立つが、サントリーのコーヒー「ボス」でとぼけた味をだすトミー・リー・ジョーンズが定年間近い保安官に扮しておっかなびっくりで追跡する。ユーモアらしきものがあるとすれば、この保安官の役回りだけかな。日本人たるぼくにはあのCMが脳に付着しているから、そう感じるのかもしれないが。

 とんでもないといえばあとの2本もそうだったね。『ア・ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の石油屋の強烈な生き方。『ラスト、コーション』は子どもには見せられない。激しくおとなの血が騒ぐ美しいシーンが見どころ。ぼくのみた3本ともお勧めだけど、血圧の高いひとは敬遠したほうがいいかもしれない。鼻血がでても責任はもたないよ。


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