ペン森通信
遠い道を来るまでに
  きょうの午前中、新宿の蔦屋にいってビデオを3本借りてきた。このところDVDが幅をきかせてビデオはどんどん肩身がせまくなって、居場所がどんどん狭まる。ぼくは大学でも自宅でももっぱら、ビデオ利用なので選択肢が少なくなって、やりきれない思いがするのだが、やむをえない。時代の変容はこんな消費現場にもひたひた迫る。

 きょう借りてきた1本は「遠い1本の道」という昭和57年の制作。もう知らないひともいるだろう、かつての名女優、左幸子が監督して、国鉄労働組合が提携している。北海道を舞台にした保線夫の物語である。もはや国鉄がJRになったのもいまや昔語り。ぼくが網走にいったとき、国労の組合員たちは赤旗を立てて、民営化反対の路上デモをやっていた。

ぼくはSLが北海道の広野を疾駆する勇姿をみたいので借りた。折しも新幹線が九州まで伸び、九州の炭鉱が閉山の流れにあった当時である。ぼくはSLの時代に育っているので、SLには特別の感慨がある。そのうえ、炭鉱の坑木を出荷していたわが家はエネルギー変換によって左前になり、ぼくの結婚資金にも困窮したのである。

 ぼくが計画している日本縦断の鉄道とバスの旅の起点は宮脇俊三著「最長片道切符の旅」のスタート地点えりも岬近くの広尾。もとはといえば、その本のルートをなぞろうというわけだから、出発が広尾にならねば意味がない。その本は「遠い1本の道」にさかのぼること4年まえの昭和53年の紀行文。広尾線は、「愛国駅から幸福駅へ」という切符を売り出して評判になったこともあるが、1887(昭和62)年に廃線になっている。それを利用したひとははたしてみんな幸福になったか。どんな実感を抱いているのだろう。

 広尾線廃線の跡がどうなっているかその様子も気になるので、ぼくはそれこそ「遠い1本の道」を撮る望遠レンズの用意をしなければならないのかとも考える。広尾から帯広まではバスに乗ることになるが、まさか旧線路が道路特定財源で道路になってバスが通っているわけでもあるまい。特定財源を活用して健康器具でもならんでいるのかもしらんがね。
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